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「建替え決議(区分所有法)」とは?わかりやすく解説

「建替え決議(区分所有法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

【法改正】
区分所有法令和8年(2026年)4月1日に改正法が施行されました。宅建試験はその年の4月1日現在施行されている法令から出題されるため、2026年度(令和8年度)試験からは改正後の内容が問われます。この記事は改正後の条文に基づいて書いています。

「建替え決議」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・区分所有法でいちばん重い決議です。各5分の4以上が出席者ベースでない点が改正後の要点になります。

「建替え決議」とは?わかりやすく解説の要点

建替え決議とは?

建替え決議とは、建物を取り壊し、その敷地などに新たに建物を建築する旨の集会の決議のこと(法62条1項)。

集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。

カエルさん
カエルさん
・老朽化したマンションを建て直す決議です。住まいを失う人が出るため、区分所有法の中でいちばん重い決議になっています。

決議要件は各5分の4以上

・建替え決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決します。

場面 決議要件
原則 区分所有者及び議決権の各5分の4以上
耐震性不足など一定の場合 区分所有者及び議決権の各4分の3以上

 

【補足】令和8年4月の改正で、多くの決議は「出席した区分所有者及びその議決権の各◯分の◯」という出席者を基準とする数え方に変わりました。しかし建替え決議は改正後も全体が基準のままで、定足数の定めもありません

カエルさん
カエルさん
・改正後の学習では「出席者ベースかどうか」が最大の分かれ目になります。建替え決議だけは出席者ベースではないと押さえてください。

・要件が緩和される「一定の場合」は、耐震性・防火性の不足、外壁等の剝離のおそれ、配管設備の著しい劣化、バリアフリー基準への不適合の5つです。

建替え決議の図解

集会までの手続

・建替え決議をする集会には、通常の集会より手厚い準備が求められます。

手続 期限
招集の通知 会日より少なくとも2か月前に発する(規約で伸長できる
説明会 会日より少なくとも1か月前までに開催しなければならない

 

・通知には、通常の「会議の目的たる事項及び議案の要領」に加えて、建替えを必要とする理由、建替えをしない場合に効用の維持・回復に要する費用の額と内訳、修繕計画の内容、修繕積立金の額も示す必要があります(法62条7項)。

カエルさん
カエルさん
・通常の集会の通知は1週間前、建替え決議は2か月前。この対比がそのまま出題されます。

決議で定める事項

・建替え決議では、次の4つを定めなければなりません(法62条4項)。

  • 新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要
  • 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
  • その費用の分担に関する事項
  • 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

・このうち費用の分担と区分所有権の帰属は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければなりません(同5項)。

【補足】再建する建物は、取り壊した建物の敷地の一部や、その敷地を含むより広い土地に建てることもできます。まったく別の場所に建てることはできません。

建替えに参加しない人への売渡し請求

・建替え決議があったときは、集会を招集した者は、賛成しなかった区分所有者に対して建替えに参加するかどうかを回答すべき旨を書面で催告しなければなりません(法63条1項)。

段階 内容
催告 賛成しなかった区分所有者に、参加するかどうかを書面で催告する
回答 催告を受けた日から2か月以内に回答する。回答しないと参加しないものとみなされる
売渡し請求 賛成者などは、参加しない者に対し区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求できる

 

カエルさん
カエルさん
黙っていると参加しないほうに扱われる点に注意してください。追認の催告(返事がないと追認拒絶とみなす)と同じく、返事がないときの扱いが問われます。

【補足】令和8年4月の改正で、建替え決議のほかに建物更新決議建物敷地売却決議・建物取壊し敷地売却決議・取壊し決議が設けられました。集会の決議全体については集会の決議要件をご覧ください。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
建替え決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上で決する。
建替え決議には、出席者の数を基準とする決まりがある。
招集の通知は、会日より少なくとも1か月前に発する。
建替え決議の前に、説明会を開かなければならない。
参加しない人には、区分所有権を時価で売り渡せと請求できる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・・そのとおりです。建替え決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決します(法62条1項)。
・住まいを失う人が出る重い決議なので、区分所有法の中でもっとも高い要件になっています。
・耐震性の不足など一定の場合には、各4分の3以上に緩和されます。

イ × 誤り

・・誤りです。建替え決議は出席者ではなく全体を基準に数えます。定足数の定めもありません。
・令和8年4月の改正で多くの決議が出席者基準になりましたが、建替え決議は従来どおり全体が基準です。
・「出席した区分所有者の5分の4以上」とする選択肢は誤りです。改正後はここが最大の分かれ目になります。

ウ × 誤り

・・誤りです。建替え決議を目的とする集会の招集通知は、会日より少なくとも2か月前に発します(法62条6項)。
・判断に時間がかかる決議なので、通常の集会の1週間前よりも長い期間が定められています。
・1か月前というのは説明会の期限です。2つの数字を入れ替えた選択肢に注意しましょう。

エ ○ 正しい

・・そのとおりです。集会を招集した者は、会日より少なくとも1か月前までに説明会を開催しなければなりません(法62条8項)。
・書面の通知だけでは伝わりにくいため、直接説明する場を設けることにしたものです。
・説明会の開催についても、集会の招集の通知や招集手続の省略の規定が準用されます。

オ ○ 正しい

・・そのとおりです。建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求できます(法63条5項)。
・参加しない人が残っていると建替えが進まないため、権利を買い取って建替えを実現させる仕組みです。
・催告を受けて2か月以内に回答しなかった人は、参加しないものとみなされます。

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