出題の重要度 ★★★
【法改正】
区分所有法は令和8年(2026年)4月1日に改正法が施行され、集会の決議要件の数え方が変わりました。宅建試験はその年の4月1日現在施行されている法令から出題されるため、2026年度(令和8年度)試験からは改正後の内容が問われます。この記事は改正後の条文に基づいて書いています。
「区分所有法」をわかりやすく解説
区分所有法とは?
・区分所有法(正式名称:建物の区分所有等に関する法律)とは、一棟の建物を区分して所有する場合の権利関係と管理のルールを定めた法律のこと。
・分譲マンションを想定した法律です。宅建試験では問13で、ほぼ毎年1問出題されます。

区分所有法の全体像
| 段階 | 内容 |
| ① 建物をどう分けるか🔗 | 専有部分と共用部分、敷地利用権 |
| ② 誰が管理するか🔗 | 管理組合、管理者、管理組合法人 |
| ③ ルールをどう決めるか🔗 | 規約、集会 |
| ④ どうやって決議するか🔗 | 決議要件(普通決議・特別決議) |
| ⑤ 問題が起きたら🔗 | 義務違反者に対する措置、復旧、建替え |

まず押さえる3つ
① 専有部分と共用部分
| 区分 | 内容 |
| 専有部分 | 区分所有権の目的たる建物の部分(住戸の内側) |
| 共用部分 | 専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物、規約により共用部分とされた附属の建物 |
・共用部分には、構造上当然に共用部分となる法定共用部分と、規約で共用部分とした規約共用部分があります。規約共用部分は登記しなければ第三者に対抗できません。
② 管理組合は当然に成立する
・区分所有者は、全員で建物等の管理を行うための団体(管理組合)を構成します。加入や脱退の手続は不要で、区分所有者になると当然に構成員になります。
③ 決議要件(2026年4月改正)
| 決議 | 決議要件 |
| 普通決議 | 出席者の区分所有者及び議決権の各過半数 |
| 共用部分の重大変更 | 定足数:各過半数の出席/出席者の各4分の3以上 |
| 規約の設定・変更・廃止 | 定足数:各過半数の出席/出席者の各4分の3以上 |
| 大規模滅失の復旧 | 定足数:各過半数の出席/出席者の各3分の2以上 |
| 建替え決議 | 各5分の4以上(出席者基準ではなく全体が基準) |
【補足】区分所有法の条文は「区分所有者(議決権を有しないものを除く。)」という書き方になっています。議決権を有しない区分所有者は分母から除かれます。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 区分所有法は、分譲マンションのルールを定めた法律である。 |
| イ | マンションを買うと、当然に管理組合の一員になる。 |
| ウ | 廊下や階段は、共用部分である。 |
| エ | 規約で共用部分にした部分は、登記しなくても第三者に対抗できる。 |
| オ | 建替え決議には、5分の4以上の賛成が必要である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・正式名称は建物の区分所有等に関する法律で、一棟の建物を区分して所有する場合の権利関係と管理のルールを定めています。
・「どこが誰のものか(専有部分・共用部分・敷地利用権)」と「どうやってみんなで決めるか(規約・集会・決議要件)」の2本柱でできています。
・宅建試験では権利関係の1問として毎年のように出題されます。条文は多くありませんが、決議要件の数字は必ず押さえましょう。
イ ○ 正しい
・区分所有者は全員で建物・敷地・附属施設の管理を行うための団体(管理組合)を構成します。
・加入の申込みや設立の決議は不要で、区分所有者になった時点で当然に構成員となり、区分所有権を失えば当然に構成員でなくなります。
・「入らない」「脱退する」という選択はできません。「設立の総会が必要」「加入手続が必要」とする記述は誤りです。
ウ ○ 正しい
・共用部分とは専有部分以外の建物の部分などをいい、廊下・階段室・エントランスがその典型です。
・廊下や階段室は構造上当然に共用部分となるので法定共用部分と呼ばれ、規約で定めるまでもなく共用部分になります。
・専有部分になるには構造上・利用上の独立性が必要です。みんなが通る部分にはこの独立性がない、と考えると整理しやすくなります。
エ × 誤り
・規約共用部分は、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できません。登記が不要とする点が誤りです。
・集会室や管理人室のように、本来は専有部分になり得るものを規約で共用部分にしたものなので、外から見て分からず、登記で公示する必要があるからです。
・法定共用部分はそもそも登記できません。「規約共用部分は登記が必要/規約敷地は登記不要」という対比で覚えましょう。
オ ○ 正しい
・建替え決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決します。
・2026年4月の改正で他の特別決議は「出席者」を分母とする形に変わりましたが、建替え決議だけは全体が分母のままです。定足数の定めもありません。
・耐震性や防火性が基準に適合しないなど一定の場合には、4分の3以上に緩和されます。
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