出題の重要度 ★★☆
「法定共用部分と規約共用部分」をわかりやすく解説

法定共用部分と規約共用部分とは?
・共用部分とは、専有部分以外の建物の部分などをいいます(法2条4項)。
・その共用部分は、なり方によって法定共用部分と規約共用部分の2つに分かれます。
【補足】専有部分と共用部分の全体像は別の記事にまとめています。ここでは2つの共用部分の区別に絞ります。
法定共用部分
・法定共用部分とは、構造上当然に共用部分となる部分のこと。廊下・階段室・エントランス・配管などです。
数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。(法4条1項)
・規約で定めるまでもなく、当然に共用部分になります。規約は必要ありません。

規約共用部分
・規約共用部分とは、本来は専有部分になり得るものを規約で共用部分としたもののこと(法4条2項)。
・集会室・管理人室のような建物の部分のほか、物置や車庫のような附属の建物も規約共用部分にできます。
| 規約共用部分にできるもの | 例 |
| 建物の部分(専有部分になり得るもの) | 集会室・管理人室 |
| 附属の建物 | 物置・車庫 |
【補足】規約共用部分の定めは、最初に専有部分の全部を所有する分譲業者が公正証書で設定することもできます(法32条)。
登記が必要なのは規約共用部分だけ
・法4条2項は、規約共用部分について「その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない」と定めています。
・外から見ただけでは専有部分と区別がつかないため、登記で公示する必要があるからです。
・これに対して法定共用部分はそもそも登記できません。廊下や階段室は区分所有権の目的にならないからです。
規約敷地とは登記の扱いが違う
・「規約」と付く似た用語に規約敷地があります。こちらは登記が必要ありません。
| 用語 | 登記 |
| 法定共用部分 | 登記できない |
| 規約共用部分 | 登記しなければ第三者に対抗できない |
| 規約敷地 | 登記は必要ない |
【補足】「登記がいるのは規約共用部分だけ」と覚えると、入れ替えの選択肢に引っかかりません。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 階段室は、規約で定めてはじめて共用部分になる。 |
| イ | 集会室を共用部分にするには、規約で定める必要がある。 |
| ウ | 規約共用部分は、登記しなければ第三者に対抗できない。 |
| エ | 法定共用部分も、登記しなければ第三者に対抗できない。 |
| オ | 規約で敷地とした土地は、登記しなければ第三者に対抗できない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | × | × |
ア × 誤り
・・階段室は構造上当然に共用部分となる法定共用部分で、規約の定めはいりません。
・数個の専有部分に通ずる廊下や階段室は、そもそも区分所有権の目的にならないと条文が定めているためです。
・規約が必要なのは集会室や管理人室のほうです。どちらの例かで判断しましょう。
イ ○ 正しい
・・集会室は本来は専有部分になり得るので、規約で共用部分と定めます。これが規約共用部分です。
・構造上当然に共用部分になる法定共用部分とは、この点が違います。
・物置や車庫のような附属の建物も規約共用部分にできる、という点もあわせて押さえましょう。
ウ ○ 正しい
・・法4条2項が「その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない」と定めています。
・見ただけでは専有部分と区別がつかないため、登記で公示する必要があるからです。
・登記が必要なのは規約共用部分だけ、という点が繰り返し問われます。
エ × 誤り
・・法定共用部分はそもそも登記できません。登記が必要というのが誤りです。
・廊下や階段室は区分所有権の目的にならないので、登記の対象にならないためです。
・「登記が必要なのは規約共用部分だけ」と対にして覚えると迷いません。
オ × 誤り
・・規約敷地に登記を求める規定はなく、登記がなくても対抗できます。必要とする点が誤りです。
・登記が必要なのは規約共用部分のほうです。「規約」と付く用語が2つあるので入れ替えて出題されます。
・「登記がいるのは規約共用部分だけ」と一言で覚えておきましょう。
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