出題の重要度 ★★☆
「書面又は電磁的方法による決議」をわかりやすく解説

書面又は電磁的方法による決議とは?
・書面又は電磁的方法による決議とは、集会を開かずに、書面やメールなどのやり取りだけで決議をすること(法45条)。
・遠方に住む区分所有者が多いマンションなどで、わざわざ全員が集まらなくても決められるようにした制度です。
全員の承諾が必要
・この方法をとるには、区分所有者全員の承諾が必要です(法45条1項)。
この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。
・承諾されるのは「集会を開かずに決める」という進め方についてです。中身への賛否は、この後の決議で分かれて構いません。

全員の合意があれば決議とみなす
・区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、決議があったものとみなされます(法45条2項)。
| 制度 | 必要なもの | 結果 |
| 書面による決議 | 全員の承諾 | 書面のやり取りで決議する |
| 書面による合意 | 全員の合意 | 決議があったものとみなす |
【補足】「承諾」は進め方についての同意、「合意」は中身そのものへの同意です。言葉が似ているので条文ごとに整理しておきましょう。
効力は集会の決議と同じ
・書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有します(法45条3項)。
・決議に係る書面は、規約の保管と閲覧と同じ扱いで保管し、利害関係人の請求があれば閲覧させます(同4項)。
【補足】集会に関する規定も準用されます(同5項)。集会を開かないだけで、決議としての重みは変わりません。
議決権を書面で行使するのとは違う
・よく似ているのが、集会は開いたうえで議決権だけ書面で行使する方法です(法39条2項)。こちらは全員の承諾は不要です。
・書面や代理人で議決権を行使した人は、出席した区分所有者に算入されます。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 区分所有者全員の承諾があれば、集会を開かずに決議できる。 |
| イ | 集会を開かずに決議するには、4分の3の承諾があればよい。 |
| ウ | 書面による決議は、集会の決議と同じ効力を持つ。 |
| エ | 全員が書面で合意しても、決議があったことにはならない。 |
| オ | 集会で議決権を書面で行使するにも、全員の承諾がいる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | × |
ア ○ 正しい
・・法45条1項が全員の承諾を要件に、書面又は電磁的方法による決議を認めています。
・遠方に住む区分所有者が多い場合などに、集まらずに決められるようにした制度です。
・承諾するのは「集会を開かずに決める」という進め方についてです。賛否は分かれて構いません。
イ × 誤り
・・必要なのは全員の承諾です。4分の3では足りません。
・集会に出席して意見を述べる機会を全員から奪うことになるので、全員の同意が求められます。
・数字を入れ替えた選択肢が定番です。「集会を開かないなら全員」と覚えましょう。
ウ ○ 正しい
・・法45条3項が「集会の決議と同一の効力を有する」と定めています。
・手続の形が違うだけで、区分所有者全員の意思に基づく決定であることに変わりはないからです。
・決議に係る書面は規約と同じように保管し、利害関係人に閲覧させます。
エ × 誤り
・・法45条2項により決議があったものとみなされます。ならないとする点が誤りです。
・全員が中身に同意しているなら、改めて決議の手続を踏む必要がないからです。
・「承諾」で決議をするのが1項、「合意」で決議とみなすのが2項です。区別しておきましょう。
オ × 誤り
・・議決権の書面行使に全員の承諾はいりません。正しくは各自の判断で行使できます(法39条2項)。
・こちらは集会そのものは開かれるので、出席の機会は奪われていないからです。
・「集会を開くかどうか」で2つの制度を見分けましょう。
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