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「集会の決議要件(区分所有法)」とは?わかりやすく解説

「集会の決議要件(区分所有法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

【法改正】
区分所有法令和8年(2026年)4月1日に改正法が施行され、集会の決議要件の数え方が変わりました。宅建試験はその年の4月1日現在施行されている法令から出題されるため、2026年度(令和8年度)試験からは改正後の内容が問われます。この記事は改正後の条文に基づいて書いています。

「集会の決議要件」をわかりやすく解説

決議要件とは?

決議要件とは、集会で議事を決するために必要な賛成の数のこと。

・区分所有法では、区分所有者の数議決権両方について要件を満たす必要があります。

カエルさん
カエルさん
・「区分所有者の◯分の◯以上」かつ「議決権の◯分の◯以上」の両方が必要です。片方だけでは足りません。

「集会の決議要件(区分所有法)」とは?わかりやすく解説の要点

2026年4月改正で何が変わったか

決議 改正前 改正後(2026年4月1日〜)
普通決議 区分所有者及び議決権の各過半数 出席した区分所有者及びその議決権の各過半数
共用部分の重大変更 区分所有者及び議決権の各4分の3以上 定足数:各過半数の出席
出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上
規約の設定・変更・廃止 区分所有者及び議決権の各4分の3以上 同上
大規模滅失の復旧 区分所有者及び議決権の各4分の3以上 定足数:各過半数の出席
出席した区分所有者及びその議決権の各3分の2以上
建替え決議 区分所有者及び議決権の各5分の4以上 変更なし(全体が基準)

 

カエルさん
カエルさん
・分母が「全体」から「出席者」に変わったのが改正の中心です。大規模滅失の復旧は割合そのものも4分の3から3分の2に緩和されました。

【補足】建替え決議には定足数の定めがなく、出席者基準でもありません。改正後も「区分所有者及び議決権の各5分の4以上」のままです。ここだけ扱いが違います。

集会の決議要件を示した図

決議要件の一覧(改正後)

決議事項 定足数 決議要件
普通決議(共用部分の管理など) なし 出席者の各過半数
共用部分の重大変更 各過半数の出席 出席者の各4分の3以上
 └ バリアフリー化・瑕疵の除去のための変更 各過半数の出席 出席者の各3分の2以上
規約の設定・変更・廃止 各過半数の出席 出席者の各4分の3以上
管理組合法人の成立・解散 各過半数の出席 出席者の各4分の3以上
義務違反者に対する措置(使用禁止・競売等) 各過半数の出席 出席者の各4分の3以上
大規模滅失(2分の1超)の復旧 各過半数の出席 出席者の各3分の2以上
建替え決議 区分所有者及び議決権の各5分の4以上
 └ 耐震性不足等の場合 4分の3以上

 

【補足】共用部分の重大変更は、規約で4分の3を下回る割合(2分の1を超える割合に限る)に定めることができます。区分所有者の定数だけを減らすのではなく、割合そのものを規約で変えられるようになりました。

共用部分の変更(重大変更と軽微変更)

区分 内容 決議要件
重大変更 形状又は効用の著しい変更を伴うもの 定足数:各過半数の出席/出席者の各4分の3以上
軽微変更 形状又は効用の著しい変更を伴わないもの 普通決議(出席者の各過半数)
保存行為 現状を維持する行為 各区分所有者が単独でできる

 

カエルさん
カエルさん
・「著しい変更を伴わないもの」は普通決議で足ります。階段に手すりを付ける程度なら軽微変更です。

【補足】共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、その専有部分の所有者の承諾が必要です(法17条2項)。

建替え決議の緩和

・耐震性不足など一定の場合には、建替え決議の要件が5分の4以上から4分の3以上に緩和されます(法62条2項)。

緩和される場合
地震に対する安全性に係る基準に適合していないとき
火災に対する安全性に係る基準に適合していないとき
外壁等の剝離・落下により周辺に危害を生ずるおそれがあるとき
配管設備の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるとき
バリアフリー基準に準ずる基準に適合していないとき

 

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
普通決議は、出席者の過半数の賛成で決まる。
共用部分の大きな変更には、出席者の4分の3以上の賛成が必要である。
共用部分の小さな変更にも、4分の3以上の賛成が必要である。
共用部分の保存行為は、区分所有者が1人でできる。
建替え決議は、出席者の5分の4以上の賛成で決まる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・集会の議事は、法律又は規約に別段の定めがない限り出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決します。
・区分所有者の数と議決権の両方について過半数が必要です。片方だけでは足りません。
・書面や代理人で議決権を行使した者は出席者に算入されます。実際に会場に来た人だけで数えるわけではない点に注意しましょう。

イ ○ 正しい

・形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更(重大変更)は、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上で決します。
・あわせて各過半数の出席という定足数も必要です。2026年4月の改正で、分母が全体から出席者に変わりました。
・バリアフリー化のための変更や共用部分の瑕疵の除去に必要な変更は3分の2以上に緩和されます。また規約で4分の3を下回る割合(2分の1を超える割合に限る)に定めることもできます。

ウ × 誤り

・形状又は効用の著しい変更を伴わない変更(軽微変更)は普通決議、つまり出席者の各過半数で足ります。4分の3は不要です。
・階段に手すりを付ける程度の工事が軽微変更の例です。日常的な手入れにまで4分の3を要求すると、建物の維持ができなくなってしまいます。
・問題文に「共用部分の変更」とあっても、重大変更か軽微変更かを見極める必要があります。ここを区別させるのが定番の出題です。

エ ○ 正しい

・共用部分の管理に関する事項は集会の決議で決しますが、保存行為だけは各共有者が単独ですることができます。
・現状を維持するだけの行為で、他の区分所有者に不利益が及ばないからです。壊れた電球の交換などが典型例です。
・変更(重大→軽微)→管理→保存の順に必要な賛成が軽くなる、という階層で整理すると覚えやすくなります。

オ × 誤り

・建替え決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上で決し、分母は出席者ではなく全体です。出席者基準とする点が誤りです。
・2026年4月の改正で他の特別決議は出席者基準になりましたが、建替えは住まいを失わせる最も重い決議なので、全体を分母とするまま残されました。定足数の定めもありません。
・耐震性・防火性が基準に適合しない場合などは4分の3以上に緩和されます。新設された建物更新決議・建物敷地売却決議・建物取壊し敷地売却決議・取壊し決議も、各5分の4以上です。

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