出題の重要度 ★★☆
「取壊し決議」をわかりやすく解説

取壊し決議とは?
・取壊し決議とは、集会において建物を取り壊す旨を決める決議です(区分所有法64条の8第1項)。
・老朽化して危険な建物を、建て直しも売却もせずに、いったん取り壊すという判断です。
・取り壊した後の敷地をどうするかは、この決議では決めません。
【補足】この記事は令和7年の改正(2026年4月1日施行)で新しく設けられた制度です。古い教材には載っていないことがあるので注意してください。
決議の要件と定める事項
・取壊し決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決します(64条の8第1項)。
・決議では次の事項を定めなければなりません(同条2項)。
- 建物の取壊しに要する費用の概算額
- その費用の分担に関する事項
・定める事項は2つだけで、売却をともなう決議より少なくなっています。
・たとえば、危険なので早く壊したいが、敷地を売るかどうかは後で決めたい、という場合にこの決議を使います。

ほかの5分の4決議との区別
・改正後は、各5分の4以上で決める決議が複数あります。何を決める決議かで区別しましょう。
| 決議 | 内容 | 敷地の持分も数えるか |
| 建替え決議 | 取り壊して新しい建物を建てる | 数えない |
| 建物更新決議 | 壊さずに大きく造り替える | 数えない |
| 取壊し決議 | 建物を取り壊す | 数えない |
| 建物敷地売却決議 | 建物と敷地を売る | 数える |
| 建物取壊し敷地売却決議 | 取り壊して敷地を売る | 数える |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 取壊し決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決する。 |
| イ | 取壊し決議では、敷地を売却する相手方も定めなければならない。 |
| ウ | 取壊し決議では、取壊しに要する費用の概算額を定める。 |
| エ | 取壊し決議では、敷地利用権の持分の価格の5分の4以上も必要である。 |
| オ | 取壊し決議は、令和7年の改正で新しく設けられた決議である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・各5分の4以上で決します(64条の8第1項)。
・建替え決議と同じ重さです。
・敷地利用権の持分は数えません。
イ × 誤り
・取壊し決議で定めるのは取壊し費用の概算額と分担の2つです(64条の8第2項)。
・売却の相手方は定めません。
・敷地を売る決議とは別の決議です。
ウ ○ 正しい
・費用の概算額とその分担を定めます(64条の8第2項)。
・定める事項は2つだけです。
・売却系の決議より少なくなっています。
エ × 誤り
・取壊し決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上です。
・敷地の持分を数えるのは敷地を売る決議です。
・何を決める決議かで区別します。
オ ○ 正しい
・令和7年の改正(2026年4月1日施行)で新設されました。
・老朽化したマンションの出口を増やす趣旨です。
・建替え決議はもとからある決議です。
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