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「建物賃貸借の存続期間(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

「建物賃貸借の存続期間(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「建物賃貸借の存続期間」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・建物を借りる契約は何年まで結べるのか、短すぎる期間を定めるとどうなるのかを見ていきます。

「建物賃貸借の存続期間」とは?わかりやすく解説の要点

建物賃貸借の存続期間とは?

建物賃貸借の存続期間とは、建物を借りる契約が続くものとして当事者が定めた期間のこと。借地借家法29条に定めがあります。

・借家では、期間の上限がなく下限だけがゆるやかに決められているのが特徴です。

カエルさん
カエルさん
・押さえるのは「上限なし」と「1年未満は期間の定めなし」の2つだけです。

上限はない

・民法604条は賃貸借の存続期間を50年までとしていますが、この規定は建物の賃貸借には適用されません(法29条2項)。

民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百四条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。

・ですから、50年でも100年でも定められます。「建物の賃貸借の期間は50年を超えることができない」という記述は誤りです。

【補足】借地の存続期間も30年以上とされ上限はありません。50年の上限があるのは民法が適用される賃貸借(土地の資材置場など)です。

建物賃貸借の存続期間の図解

1年未満と定めたらどうなるか

・期間を1年未満と定めた建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます(法29条1項)。

期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。

・気をつけたいのは、契約が無効になるわけではないという点です。契約そのものは有効で、期間の部分だけが「定めなし」に置き換わります。

・期間の定めがない契約になると、貸主から終わらせるには解約の申入れから6か月正当の事由が必要になります。短い期間を定めて追い出されることを防ぐしくみです。

カエルさん
カエルさん
・「6か月と定めた」→「期間の定めなし」。「無効になる」「1年に延びる」はどちらも誤りです。

借地との違い

・同じ借地借家法でも、借地と借家では短い期間を定めたときの扱いが正反対です。

短い期間を定めたとき
借地 30年より短い期間は30年になる(法3条)
借家 1年未満の期間は期間の定めなしになる(法29条1項)

 

【補足】定期建物賃貸借では法29条1項が適用されないため(法38条1項後段)、1年未満の期間も有効に定められます

借主に不利な特約は無効

・法29条は借地借家法第3章第1節に置かれており、この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効とされています(法30条)。

この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

・たとえば「期間を6か月とし、期間の定めのない賃貸借とはみなさない」という特約は、借主に不利なので無効です。

カエルさん
カエルさん
・強行規定です。「特約で定めたから有効」という選択肢は、まず疑ってかかりましょう。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
建物の賃貸借の期間は、50年を超えることができない。
期間を6か月と定めると、期間の定めがない契約になる。
期間を6か月と定めた契約は、無効になる。
定期借家なら、1年未満の期間も定められる。
借地で30年より短い期間を定めると、30年になる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア × 誤り

上限はありません。民法604条の50年という制限は、建物の賃貸借には適用されないと定められています(法29条2項)。
・長く借り続けたい借主にとって上限があると不利になるため、あえて外されています。
・正しくは「上限はなく、100年と定めることもできる」です。50年の上限は民法の賃貸借の話だと切り分けましょう。

イ ○ 正しい

・そのとおりです。期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます(法29条1項)。
・短い期間を定めて何度も追い出されることから借主を守る趣旨です。
・期間の定めがない契約になると、貸主からの解約には6か月前の申入れと正当の事由が要ります。借主に有利な結果になります。

ウ × 誤り

・契約は有効です。無効になるのではなく、期間の部分が「定めなし」とみなされるだけです(法29条1項)。
・借主を守るための規定なので、契約自体を消してしまっては住む場所を失わせることになり、かえって不利益です。
・正しくは「契約は有効で、期間の定めがない賃貸借になる」です。「無効」「1年に延長される」は引っかけです。

エ ○ 正しい

・そのとおりです。定期建物賃貸借には法29条1項が適用されません(法38条1項後段)。
・更新がない契約なので、期間を短くしても更新拒絶で追い出される心配がなく、借主を守る必要が小さいからです。
・「普通借家は1年未満だと期間の定めなし、定期借家は1年未満でもそのまま」と対で覚えると混同しません。

オ ○ 正しい

・そのとおりです。借地権の存続期間は30年とされ、これより短い期間を定めても30年になります(法3条)。
・建物を建てて使う以上、短い期間では投下した費用を回収できないからです。
・借家の「1年未満は期間の定めなし」とは結論が違います。借地は「引き上げられる」、借家は「定めなしになる」と区別しましょう。

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