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「造作買取請求権(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

「造作買取請求権(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「造作買取請求権」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・エアコンや畳など、借主が取り付けたものを貸主に買い取ってもらえるかという話です。

「造作買取請求権」とは?わかりやすく解説の要点

造作買取請求権とは?

造作買取請求権とは、借主が建物に付けた造作を時価で買い取るよう貸主に請求できる権利のこと(法33条1項)。

建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。

造作とは、畳・建具・エアコンのように、建物に取り付けられて建物の使い勝手をよくするもので、借主の所有に属するものをいいます。

カエルさん
カエルさん
・借主が費用をかけて付けたものを、そのまま置いていくのはもったいない。そこで買取りを認めています。

対象になる造作

・すべての造作が対象になるわけではありません。次の2つに限られます。

対象になる造作
貸主の同意を得て建物に付加した造作
貸主から買い受けた造作

 

・貸主に無断で取り付けたものは対象になりません。同意があったかどうかが分かれ目です。

【補足】買い取ってもらえる価格は時価です。取り付けたときの値段ではなく、契約が終わる時点での価値で決まります。

造作買取請求権の図解

行使できる場面・できない場面

・請求できるのは、賃貸借期間の満了又は解約の申入れによって終了するときです(法33条1項)。

・これに対して、借主が家賃を払わず、債務不履行を理由に契約を解除されたときは、造作買取請求権を行使できないとされています(判例)。

契約の終わり方 造作買取請求
期間の満了 できる
解約の申入れ できる
債務不履行による解除 できない

 

カエルさん
カエルさん
・自分が約束を破って終わらせておきながら買取りを求めるのは筋が通らない、ということです。

特約で排除できる

・造作買取請求権は、特約で排除することができます。借主に不利な特約であっても有効です。

・借家の強行規定である法37条は31条・34条・35条を挙げているだけで、33条は含まれていません。だから特約で外せるのです。

第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。

【補足】実務でも「造作は買い取らない」「明渡しの際に借主が撤去する」という特約が置かれるのが普通です。

借地の建物買取請求権との違い

・よく似た名前の建物買取請求権(法13条)は借地の制度で、こちらは特約で排除できません(法16条)。

対象 特約で排除
造作買取請求権(法33条) 畳・建具など借主が付けたもの できる
建物買取請求権(法13条) 借地上に建てた建物 できない

 

カエルさん
カエルさん
・「造作は外せる、建物は外せない」。名前が似ているので対比で覚えてください。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
造作買取請求権は、特約でなくすことができる。
造作は、取り付けたときの値段で買い取ってもらえる。
貸主に無断で付けた造作も、買い取ってもらえる。
家賃を払わずに解除されたときも、造作の買取りを請求できる。
造作買取請求権は、転借人も行使できる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア ○ 正しい

・そのとおりです。強行規定を定める法37条は31条・34条・35条を挙げるだけで、33条は含まれていません
・造作は借主が自分の便宜のために付けたもので、買取りまで保障する必要は小さいと考えられたためです。
・借地の建物買取請求権は特約で排除できません(法16条)。「造作は外せる、建物は外せない」と対で覚えましょう。

イ × 誤り

・買取価格は時価です(法33条1項)。取り付けたときの値段ではありません。
・年月がたてば造作の価値も下がるため、終了時点の価値で清算するのが公平だからです。
・正しくは「契約終了時の時価で買い取る」です。「購入価格」「原価」とある選択肢は誤りです。

ウ × 誤り

・買取りを請求できません。対象は貸主の同意を得て付けた造作か、貸主から買い受けた造作に限られます(法33条1項)。
・無断で付けたものまで買い取らせると、貸主が思わぬ負担を負うことになるからです。
・正しくは「貸主の同意を得て付けた造作であること」が必要です。「同意」の有無が分かれ目になります。

エ × 誤り

・請求できません。債務不履行を理由に解除された場合には行使できないとされています(判例)。
・自分が約束を破って契約を終わらせておきながら買取りを求めるのは、信義に反するからです。
・正しくは「期間の満了又は解約の申入れで終了するとき」に行使できる、です。終わり方で結論が変わります。

オ ○ 正しい

・そのとおりです。法33条2項が、転借人と賃貸人との間について準用すると定めています。
・転借人も貸主の同意を得て造作を付けることがあり、借主と区別する理由がないからです。
・準用されるのも、期間の満了又は解約の申入れで終了する場合に限られる点は借主と同じです。

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