出題の重要度 ★★★
「借地権の存続期間」をわかりやすく解説

借地権の存続期間とは?
借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
期間を定めなかったとき
・期間を定めなかった場合や、30年より短い期間を定めた場合は、30年になります。
| 契約の定め | 実際の期間 |
| 定めなし | 30年 |
| 20年と定めた | 定めは無効となり30年 |
| 50年と定めた | 定めどおり50年 |
【補足】借地権者に不利な特約は無効とされているためです(法9条)。無効になるのは期間の定めだけで、契約そのものが無効になるのではありません。

更新後の期間
・更新すると、期間は段階的に短くなります(法4条)。
当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。
| 区分 | 期間 |
| 当初 | 30年 |
| 1回目の更新後 | 20年 |
| 2回目以降の更新後 | 10年 |
建物が滅失して再築したとき
・存続期間の満了前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続する建物を築造したときは、借地権設定者の承諾があるときに限り、承諾があった日か築造された日のいずれか早い日から20年間存続します(法7条1項)。
【補足】借地権者が再築する旨を通知し、設定者が2か月以内に異議を述べなかったときは、承諾したものとみなされます(法7条2項)。ただし、更新後の再築についてはこのみなし承諾はありません。
定期借地権との違い
・定期借地権は、存続期間の決め方も更新の有無も違います。
| 種類 | 存続期間 | 更新 |
| 普通の借地権 | 30年以上 | あり |
| 一般定期借地権 | 50年以上 | なし |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | なし |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | なし |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 借地権の存続期間は、30年である。 |
| イ | 借地権の存続期間を20年と定めることができる。 |
| ウ | 借地権の存続期間を50年と定めることができる。 |
| エ | 最初に更新したときの期間は、20年である。 |
| オ | 期間を定めなかったときは、借地権は成立しない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・存続期間は30年です(法3条)。契約でこれより長くすることはできます。
・建物を建てて使うには長い期間が必要で、短期間で明渡しを迫られると投資を回収できないためです。
・「長くするのは自由、短くするのは不可」という一方通行の規制だと押さえましょう。
イ × 誤り
・正しくは、30年より短い定めは無効となり、期間は30年になります(法9条)。
・借地権者に不利な特約は無効とされているためです。借主を守る強行規定です。
・契約全体が無効になるのではなく、期間の定めだけが無効になる点も確認しておきましょう。
ウ ○ 正しい
・長い期間を定めることはできます(法3条ただし書)。50年と定めれば50年です。
・長くする特約は借地権者に不利ではないので、無効になりません。
・「20年は不可、50年は可」。どちら向きの特約かで結論が変わります。
エ ○ 正しい
・最初の更新は20年、2回目以降は10年です(法4条)。
・当初は建物を建てる負担が大きいので30年と長く取り、その後は段階的に短くなります。
・「30年→20年→10年」の並びで覚えます。数字を入れ替えた選択肢が繰り返し出ます。
オ × 誤り
・正しくは、期間を定めなくても借地権は成立し、期間は30年になります(法3条)。
・法律のほうが期間を用意しているので、当事者が決めなくても困りません。
・「定めがないと無効」は誤り。無効になるのは30年より短い定めのほうです。
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