出題の重要度 ★★★
「権利に関する登記・共同申請主義」をわかりやすく解説

権利に関する登記とは?
・権利に関する登記とは、所有権・抵当権などの権利を記録する登記です(権利部)。
・所有権は甲区、所有権以外(抵当権・地上権・賃借権など)は乙区に記録されます。たとえば、住宅ローンで買った家なら、甲区に自分の所有権、乙区に銀行の抵当権が記録されます。
共同申請主義
・権利の登記は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請します(60条)。
権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。(不動産登記法60条)
| 当事者 | 意味 |
| 登記権利者 | 登記で利益を受ける人(買主など) |
| 登記義務者 | 登記で不利益を受ける人(売主など) |

登記原因証明情報
・権利の登記を申請するときは、登記原因証明情報を提供します(61条)。
・「なぜ登記するのか(売買・相続など)」を証明する書面です。
【補足】共同申請では、虚偽の登記を防ぐしくみが二重に用意されています(当事者双方の関与+原因証明情報)。
申請義務は原則ない
・権利に関する登記には、原則として申請義務はありません。
・登記するかどうかは、原則として権利者の判断にゆだねられています。
対抗力
・権利の登記をすると、その権利を第三者に対抗できます(民法177条)。
・二重譲渡では、先に登記した人が勝ちます。
・くわしくは物権変動と対抗要件をご覧ください。
【補足】権利の登記は義務ではありませんが、しておかないと第三者に権利を主張できず、二重譲渡で負けることがあります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 権利に関する登記は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請する。 |
| イ | 登記権利者とは、登記によって不利益を受ける人のことである。 |
| ウ | 権利の登記の申請には、登記原因証明情報の提供が必要である。 |
| エ | 所有権に関する登記は、権利部の乙区に記録される。 |
| オ | 権利に関する登記には、原則として申請義務はない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・共同申請が原則です(60条)。
・売買なら買主(権利者)と売主(義務者)が申請します。
・両者の関与で登記の正しさを担保します。
イ × 誤り
・・登記権利者は利益を受ける人です。
・不利益を受けるのは登記義務者です。
・買主が権利者、売主が義務者です。
ウ ○ 正しい
・・登記原因証明情報を提供します(61条)。
・「なぜ登記するのか」を証明する書面です。
・虚偽の登記を防ぐためです。
エ × 誤り
・・所有権は甲区に記録されます。
・乙区は所有権以外の権利です。
・「甲区=所有権、乙区=それ以外」です。
オ ○ 正しい
・・権利の登記には原則、申請義務はありません。
・ただし相続登記は3年以内の申請が義務です。
・表示の登記が申請義務ありなのと対比されます。
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