出題の重要度 ★★☆
「建物更新決議」をわかりやすく解説

建物更新決議とは?
・建物更新決議とは、建物の更新をする旨の集会の決議です(区分所有法64条の5第1項)。
・ここでいう建物の更新とは、建物の構造上主要な部分の効用の維持または回復のために共用部分の形状の変更をし、あわせてすべての専有部分の形状・面積・位置関係の変更をすることをいいます。
・たとえば、古いマンションの躯体を活かしたまま、間取りや配管をまとめて造り替えるような工事が想定されています。
【補足】この記事は令和7年の改正(2026年4月1日施行)で新しく設けられた制度です。古い教材には載っていないことがあるので注意してください。
決議の要件は各5分の4以上
・建物更新決議は、集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決します(64条の5第1項)。
・建替え決議と同じ重さの決議です。住まいの形が大きく変わるため、厳しい要件になっています。
| 決議 | 要件 |
| 建替え決議 | 区分所有者及び議決権の各5分の4以上 |
| 建物更新決議 | 区分所有者及び議決権の各5分の4以上 |

決議で定めなければならない事項
・建物更新決議では、次の事項を定めなければなりません(64条の5第2項)。
- 建物の更新がされた後の建物の設計の概要
- 建物の更新に要する費用の概算額
- その費用の分担に関する事項
- 建物の更新がされた後の建物の区分所有権の帰属に関する事項
・費用をいくらかけ、誰がどれだけ負担し、工事後の権利がどうなるかまで決めておく必要があります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 建物更新決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決する。 |
| イ | 建物更新決議は、建物を取り壊して建て直す決議である。 |
| ウ | 建物更新決議では、更新後の建物の設計の概要を定めなければならない。 |
| エ | 建物更新決議では、費用の分担に関する事項を定める必要はない。 |
| オ | 建物更新決議は、令和7年の改正で新しく設けられた決議である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・各5分の4以上の多数で決します(64条の5第1項)。
・建替え決議と同じ重さの決議です。
・出席者ではなく全体が基準です。
イ × 誤り
・取り壊して建て直すのは建替え決議です。
・建物更新決議は、建物を壊さずに造り替える決議です。
・共用部分と全専有部分の形状などを変更します。
ウ ○ 正しい
・設計の概要を定めます(64条の5第2項)。
・費用の概算額や分担なども定めます。
・工事後の区分所有権の帰属も決めます。
エ × 誤り
・費用の分担に関する事項も定めなければなりません(64条の5第2項)。
・費用の概算額もあわせて定めます。
・あとで争いにならないようにするためです。
オ ○ 正しい
・令和7年の改正(2026年4月1日施行)で新設されました。
・建替えより負担の少ない再生の方法を用意する趣旨です。
・古い教材には載っていないことがあります。
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