出題の重要度 ★★★
「管理者と管理組合」をわかりやすく解説
管理組合とは?
・区分所有法第三条では、以下のように規定されています。
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
・この団体が管理組合です。
| 項目 | 内容 |
| 構成員 | 区分所有者全員。区分所有者になると当然に構成員となる |
| 加入・脱退 | できない(区分所有権を失えば当然に構成員でなくなる) |
| 設立の手続 | 不要(当然に構成される) |

管理者
| 項目 | 内容 |
| 選任・解任 | 規約に別段の定めがない限り、集会の決議による |
| 資格 | 制限なし。区分所有者でなくてもよく、法人でもよい |
| 人数 | 制限なし |
| 任期 | 法律上の定めはない |
| 裁判所への解任請求 | 不正な行為その他職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者が裁判所に請求できる |
【補足】管理者の解任を裁判所に請求するのは「各区分所有者」です。集会の決議は必要ありません。

管理者の権限
| 権限・義務 |
| ・共用部分等を保存する |
| ・集会の決議を実行する |
| ・規約で定めた行為をする |
| ・職務に関し区分所有者を代理する |
| ・規約又は集会の決議により、職務に関し原告又は被告となることができる |
| ・少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない |
・管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(法26条3項)。
管理組合法人
| 項目 | 内容 |
| 法人になる要件 | 集会の決議で法人となる旨、その名称及び事務所を定め、主たる事務所の所在地において登記する |
| 決議要件 | 規約の設定・変更・廃止と同じ(定足数:各過半数の出席/出席者の各4分の3以上) |
| 機関 | 理事(必置)と監事(必置) |
| 管理者 | 管理組合法人には管理者を置かない(理事が管理者に相当する) |
【補足】以前は「区分所有者が30人以上」という要件がありましたが、現在は人数の要件はありません。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 管理組合をつくるには、集会の決議が必要である。 |
| イ | 管理者は、区分所有者以外の人でもなれる。 |
| ウ | 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。 |
| エ | 管理者に不正があったとき、各区分所有者が裁判所に解任を請求できる。 |
| オ | 管理組合法人になるには、区分所有者が30人以上必要である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | ○ | × |
ア × 誤り
・区分所有者は全員で管理を行うための団体を構成すると条文が定めており、区分所有関係が生じれば当然に成立します。決議は不要です。
・設立の手続も加入の申込みもいらず、区分所有権を取得すれば自動的に構成員となり、失えば自動的に構成員でなくなります。
・決議が必要になるのは管理組合法人になるときで、こちらは出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議と登記が必要です。
イ ○ 正しい
・管理者の資格に制限はなく、区分所有者以外の者でも、法人でも管理者になれます。
・管理会社が管理者になることもあります。人数や任期についても法律上の定めはありません。
・「区分所有者でなければならない」「1人に限る」といった限定を付けた記述は誤りです。選任・解任は規約に別段の定めがない限り集会の決議によります。
ウ ○ 正しい
・条文は管理者について少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないと定めており、義務です。
・あわせて、集会で毎年1回一定の時期に事務の報告をする義務もあります。年1回はセットで覚えましょう。
・「招集することができる」と権利のように書き換える引っかけが定番です。区分所有者の側からは5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する者が招集を請求できます。
エ ○ 正しい
・管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者が裁判所にその解任を請求できます。
・通常の解任は集会の決議によりますが、この裁判所への請求は集会の決議を経ずに単独でできる点が特徴です。
・多数派が不正な管理者をかばう場合に少数者を守るための仕組みだと考えると、決議が不要な理由がわかります。
オ × 誤り
・現在の条文に人数の要件はありません。かつては「区分所有者が30人以上」とされていましたが、この要件は削除されています。
・必要なのは、集会で出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議により法人となる旨・名称・事務所を定めることと、主たる事務所の所在地における登記です。
・管理組合法人には理事と監事を置きます。管理者は置かず、理事が管理者に相当する役割を担います。
この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。
