出題の重要度 ★☆☆
「日影規制」をわかりやすく解説
日影規制とは?
・日影規制とは、中高層の建築物が周囲の敷地に一定時間以上の日影を生じさせないようにするための制限のこと。
・正式には「日影による中高層の建築物の高さの制限」といいます。

日影規制の基本
| 項目 | 内容 |
| 対象区域を指定する人 | 地方公共団体が条例で指定します |
| 基準となる日 | 冬至日 |
| 測定する時間帯 | 午前8時から午後4時まで ※北海道(道の区域内)は午前9時から午後3時まで |
| 測定する範囲 | 敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲 |
【補足】日影を測る対象からは、対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分、当該建築物の敷地内の部分が除かれます。

対象区域として指定できる地域
| 地域 | 制限を受ける建築物 |
| 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 | 軒の高さが7mを超える建築物 又は 地階を除く階数が3以上の建築物 |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 高さが10mを超える建築物 |
| 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域 | 高さが10mを超える建築物 |
| 用途地域の指定のない区域 | 軒の高さが7mを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物 等 |
・したがって、商業地域・工業地域・工業専用地域は、日影規制の対象区域として指定することができません。
対象区域外の建築物
・建築基準法第五十六条の二第四項では、以下のように規定されています。
対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。
【補足】同一の敷地内に2以上の建築物がある場合は、これらを1つの建築物とみなして日影規制を適用します。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 商業地域は、日影規制の対象区域にできない。 |
| イ | 日影規制の対象区域は、都道府県知事が指定する。 |
| ウ | 日影規制は、冬至日を基準に判定する。 |
| エ | 対象区域外の建物は、日影規制を受けることがない。 |
| オ | 日影は、敷地境界線から5mを超える範囲で判定する。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・日影規制の対象区域として指定できる地域に商業地域は含まれていないため、条例で指定することはできません。
・対象にできないのは商業地域・工業地域・工業専用地域の3つです。住宅の日照を守るための規定なので、住宅を主に想定しない地域は外されています。
・逆に近隣商業地域・準工業地域は対象にできます。「商業」「工業」と名の付く地域でも扱いが分かれる点が引っかけどころです。
イ × 誤り
・日影規制の対象区域を指定するのは都道府県知事ではなく、地方公共団体が条例で指定します。ここが誤りです。
・どこまで規制するかは地域の気候や土地利用の状況によって変わるため、その土地に近い自治体の条例にゆだねられています。制限時間も条例で号を選んで決めます。
・「知事が指定」「都市計画で定める」といった書き換えが典型的な誤りです。条例で決めるものだ、と押さえておきましょう。
ウ ○ 正しい
・日影規制は冬至日を基準として、真太陽時の午前8時から午後4時まで(北海道は午前9時から午後3時まで)の日影で判定します。
・冬至日は一年で太陽の高度が最も低く、影が最も長くなる日です。最も条件の厳しい日で判定すれば、一年を通じて日照が確保されるという考え方です。
・「夏至日」「春分日」に置き換えた選択肢は誤りです。時間帯が北海道だけ異なる点もあわせて覚えておきましょう。
エ × 誤り
・対象区域外にある高さ10m超の建築物でも、冬至日に対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、対象区域内にあるものとみなして規制されます。「受けることがない」とする点が誤りです。
・自分の敷地が区域外でも、影は敷地の境界を越えて落ちます。区域外の建物を野放しにすると規制の意味がなくなるためです。
・「区域外だから関係ない」と判断させるのが典型的な引っかけです。高さ10m超という要件とセットで覚えましょう。
オ ○ 正しい
・日影の判定は、敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲について行います。5m以内の部分は判定の対象になりません。
・敷地のすぐそばまで規制すると建築がほとんど不可能になるため、一定の距離を置いたところから先を守る仕組みになっています。
・制限時間は、5m超10m以内の範囲と10mを超える範囲とで分けて定められ、遠いほうがゆるくなります。5mと10mの役割を混同しないようにしましょう。
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