出題の重要度 ★★☆
「建築物の高さ制限」をわかりやすく解説
高さ制限とは?
・建築物の高さは、絶対高さの制限と斜線制限によって規制されます。

絶対高さの制限(法第55条)
・建築基準法第五十五条第一項では、以下のように規定されています。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、十メートル又は十二メートルのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
| 項目 | 内容 |
| 適用される地域 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 田園住居地域 |
| 高さの限度 | 10m 又は 12m(都市計画で定められたもの) |
【補足】高さの限度が10mと定められた地域でも、敷地内に政令で定める空地を有し、敷地面積が政令で定める規模以上である建築物で、特定行政庁が認めるものは12mとすることができます。

3つの斜線制限
| 種類 | 適用される地域 | 内容 |
| 道路斜線制限 | すべての用途地域及び用途地域の指定のない区域 | 前面道路の反対側の境界線からの距離に応じて高さを制限 |
| 隣地斜線制限 | 低層住居専用地域・田園住居地域を除く地域 | 隣地境界線からの距離に応じて高さを制限 |
| 北側斜線制限 | 第一種・第二種低層住居専用地域 田園住居地域 第一種・第二種中高層住居専用地域 |
真北方向の隣地境界線等からの距離に応じて高さを制限 |
【補足】第一種・第二種中高層住居専用地域については、日影規制の対象区域として条例で指定されている場合、北側斜線制限は適用されません。
北側斜線制限の加算値
| 地域 | 加算される高さ |
| 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 | 5m |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 10m |
【補足】北側斜線制限は、真北方向の水平距離に1.25を乗じた数値に、上記の高さを加えたものが限度となります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 低層住居専用地域では、建物の高さが10mまたは12mに制限される。 |
| イ | 隣地斜線制限は、低層住居専用地域にも適用される。 |
| ウ | 道路斜線制限は、すべての用途地域に適用される。 |
| エ | 北側斜線制限は、中高層住居専用地域にも適用される。 |
| オ | 北側斜線制限で加える高さは、低層住居専用地域では10mである。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域では、建築物の高さは10m又は12mのうち都市計画で定められた限度を超えられません。これを絶対高さの制限といいます。
・低層住宅の良好な環境を守るための地域なので、斜線でななめに切るのではなく、はじめから高さの上限を決めているわけです。
・絶対高さの制限があるのは低層系の3地域だけです。中高層住居専用地域にはないので、名前につられないようにしましょう。
イ × 誤り
・隣地斜線制限は、低層住居専用地域と田園住居地域には適用されません。「適用される」とする点が誤りです。
・これらの地域にはすでに10m又は12mという絶対高さの制限があり、隣地斜線で重ねて規制する必要がないためです。
・「絶対高さがあるから隣地斜線はない」という理由まで押さえると、3つの斜線制限のうちどれが低層3地域に及ぶかで迷わなくなります。
ウ ○ 正しい
・道路斜線制限はすべての用途地域に加え、用途地域の指定のない区域にも適用されます。前面道路の反対側の境界線からの距離に応じて高さが制限されます。
・道路は日照や通風の通り道でもあるため、どの地域であっても道路側の圧迫感を抑える必要があるからです。
・3つの斜線制限のうち、適用範囲がいちばん広いのが道路斜線です。「道路=全部、隣地=低層3地域を除く、北側=低層3地域+中高層2地域」と整理しておきましょう。
エ ○ 正しい
・北側斜線制限が適用されるのは、低層住居専用地域・田園住居地域に加えて、第一種・第二種中高層住居専用地域も含まれます。
・真北方向にある隣地の日照を守るための制限なので、住環境を重視する専用地域に限って課されています。住居地域や準住居地域には適用されません。
・ただし中高層住居専用地域については、日影規制の対象区域として条例で指定されている場合、北側斜線制限は適用されません。
オ × 誤り
・北側斜線制限で加える高さは、低層住居専用地域・田園住居地域では10mではなく5mです。10mなのは第一種・第二種中高層住居専用地域のほうです。
・真北方向の水平距離に1.25を乗じた数値に、この5m又は10mを加えたものが高さの限度になります。
・低層のほうが厳しい(加える高さが小さい)と考えると取り違えません。低層は絶対高さも10m又は12mなので、数字の10mと混同しやすい点に注意しましょう。
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