出題の重要度 ★★☆
「地域地区」をわかりやすく解説
地域地区とは?
・地域地区とは、都市計画区域について、土地の使い方を用途ごとに配分するために都市計画で定める地域・地区・街区のこと。
・地域地区が定められると、その区域内の建築物に対してさまざまな制限がかかります。

地域地区の概要
・都市計画法第八条第一項では、地域地区について以下のように規定されています。
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
・地域地区には、用途地域のほかに以下のようなものがあります。
- 用途地域(13種類)
- 特別用途地区…用途地域内の一定の地区で、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的を実現するため、用途地域の指定を補完して定める地区
- 特定用途制限地域…用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)内において、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域
- 高度地区・高度利用地区
- 特例容積率適用地区、高層住居誘導地区、特定街区
- 防火地域又は準防火地域
- 景観地区、風致地区、駐車場整備地区、臨港地区、生産緑地地区 など
【補足】特定用途制限地域は「用途地域が定められていない土地の区域」に定めるものですが、市街化調整区域は除かれます。市街化調整区域はもともと市街化を抑制すべき区域だからです。

準都市計画区域に定められる地域地区
・地域地区は都市計画区域だけでなく、準都市計画区域にも定めることができます。
・ただし、準都市計画区域に定めることができる地域地区は限定されています。
| 準都市計画区域に定められる地域地区 |
| ・用途地域 |
| ・特別用途地区 |
| ・特定用途制限地域 |
| ・高度地区(高度利用地区は定められません) |
| ・景観地区 |
| ・風致地区 |
| ・緑地保全地域 |
| ・伝統的建造物群保存地区 |
【補足】「高度地区」は建築物の高さの最高限度・最低限度を定める地区、「高度利用地区」は容積率や建蔽率などを定めて土地の高度利用を図る地区です。準都市計画区域に定められるのは高度地区だけです。
地域地区について都市計画に定める事項
・地域地区については、都市計画に以下の事項を定めます。
| 区分 | 内容 |
| 定めるものとする(必ず定める) | ・地域地区の種類、位置及び区域 ・用途地域における容積率など、地域地区ごとに法定された事項 |
| 定めるよう努めるものとする(努力義務) | ・面積その他の政令で定める事項 |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 用途地域は、地域地区の一つである。 |
| イ | 特定用途制限地域は、市街化調整区域にも定められる。 |
| ウ | 準都市計画区域には、高度利用地区を定められる。 |
| エ | 準都市計画区域には、防火地域を定められる。 |
| オ | 地域地区の種類・位置・区域は、都市計画に必ず定める。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | × | ○ |
ア ○ 正しい
・地域地区は、都市計画区域について都市計画に定める地域・地区・街区の総称で、用途地域はその第一号に掲げられた代表的な地域地区です。
・ほかに特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区・高度利用地区、特定街区、防火地域・準防火地域、景観地区、風致地区などがあります。
・用途地域と地域地区を並列の別物として扱う記述は誤りです。「地域地区という大きな箱の中に用途地域がある」という包含関係を押さえましょう。
イ × 誤り
・特定用途制限地域は「用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)」に定めるものなので、市街化調整区域には定められません。
・市街化調整区域はもともと市街化を抑制すべき区域で、開発許可によって厳しく制限されているため、重ねて建築物の用途を制限する必要がないからです。
・実際に定められるのは非線引き都市計画区域や準都市計画区域です。「用途地域がない区域ならどこでもよい」ではない点に注意しましょう。
ウ × 誤り
・準都市計画区域に定められるのは高度地区だけで、高度利用地区は定められません。
・高度地区は建築物の高さの限度を定める地区(準都市計画区域内では最高限度のみ)、高度利用地区は容積率や建蔽率などを定めて土地の高度利用を図る地区です。
・準都市計画区域は積極的に街をつくる区域ではないため、高度利用を促す地域地区は置けません。名前が一字違いなので、読み飛ばさないようにしましょう。
エ × 誤り
・準都市計画区域には、防火地域・準防火地域を定めることはできません。
・準都市計画区域に定められるのは、用途地域・特別用途地区・特定用途制限地域・高度地区・景観地区・風致地区・緑地保全地域・伝統的建造物群保存地区の8種類だけです。
・この8つは土地利用を整序したり環境を保全したりする方向のものばかりです。市街地の形成を前提とする防火地域・準防火地域や高度利用地区、特定街区は入りません。
オ ○ 正しい
・地域地区については、種類・位置・区域を都市計画に「定めるものとする」とされており、必ず定めます。
・一方、面積その他の政令で定める事項は「定めるよう努める」=努力義務にとどまります。
・「必ず定める=種類・位置・区域」「努力義務=面積」。都市施設や地区計画等でも同じ形の区別が出てくるので、まとめて覚えると効率的です。
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