出題の重要度 ★★☆
「固定資産税の特例と縦覧・審査」をわかりやすく解説

特例で税金が軽くなる
・固定資産税には、負担を軽くするいくつかの特例があります。代表的なのが住宅用地の特例と新築住宅の減額です。
・どちらも住まいに関する負担を抑えるためのしくみですが、一方は土地の課税標準を下げ、もう一方は建物の税額を下げるもので、対象がちがいます。この違いを意識して読み進めましょう。
新築住宅は税額が減額される
・一定の新築住宅は、新たに課税される年度から一定期間、居住部分(120㎡まで)の家屋の税額が2分の1に減額されます。建てたばかりの数年間の負担を軽くするしくみです。
・減額される期間は、一般の住宅で3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火建築物で5年度分です(時限的な措置)。
・これは家屋(建物)についての減額で、次に見る住宅用地の特例(土地)とは対象がちがう点に注意しましょう。

住宅用地は課税標準が1/6・1/3
・住宅の敷地(住宅用地)は、200㎡までの部分(小規模住宅用地)は課税標準が6分の1になります(地方税法349条の3の2)。
・200㎡を超える部分(一般住宅用地)は3分の1です。これは建物ではなく土地についての特例です。
【補足】下げるのは税率ではなく課税標準です。「税率が1/6」と書かれていたら誤りです。
縦覧と審査の申出
・毎年4月1日から一定期間、縦覧帳簿で自分の土地・家屋の評価額を他と比べることができます(縦覧、地方税法416条)。
・台帳に登録された価格に不服があるときは、固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます(地方税法432条)。評価額そのものへの不服を扱う専門の委員会です。
【補足】不服の相手は市町村長ではなく固定資産評価審査委員会です。手続きの名前もあわせて覚えましょう。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 小規模住宅用地は課税標準が1/6になる。 |
| イ | 住宅用地の特例は、建物にかかる特例である。 |
| ウ | 住宅用地の特例では、税率が1/6になる。 |
| エ | 評価額に不服があるときは審査の申出ができる。 |
| オ | 縦覧では、自分の土地の評価額を他と比べられる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・正しいです。200㎡以下の小規模住宅用地は、課税標準が価格の6分の1に軽減されます。
・200㎡を超える一般住宅用地の部分は3分の1で、住宅が建つ土地を優遇する仕組みです。
・「小規模=1/6・一般=1/3」と数字を対で覚えるのが得点のコツです。
イ × 誤り
・誤りです。住宅用地の特例は、その名のとおり土地(住宅用地)の課税標準を軽くする特例で、建物にかかるものではありません。
・建物側には、新築住宅の税額を一定期間2分の1にする別の減額措置があります。
・「用地=土地」と読めば、対象が土地であることは名称から判断できます。
ウ × 誤り
・誤りです。6分の1になるのは課税標準で、税率(1.4%)は変わりません。
・特例は課税標準を小さくして税額を下げるもので、税率そのものには手を付けません。
・「特例で動くのは課税標準・税率は原則どおり」という原則をここでも当てはめましょう。
エ ○ 正しい
・正しいです。評価額(価格)に不服があるときは、固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます。
・不服が「価格」なら審査委員会への申出、価格以外の賦課処分なら市町村長への審査請求、と入口が分かれます。
・「評価額の不服=評価審査委員会」と結び付けて覚えておきましょう。
オ ○ 正しい
・正しいです。縦覧制度により、納税者は自分の土地・家屋の評価額を他の資産と比較して確認できます。
・自分の評価が近隣と比べて妥当かをチェックさせ、評価の公平性を担保する狙いがあります。
・自分の課税内容を確認する「閲覧」と、比較のための「縦覧」は別物なので区別しましょう。
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