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「正当の事由(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

「正当の事由(借地借家法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「正当の事由」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・貸主が「出ていってほしい」と言うために必要な理由です。何を考慮して判断するのかが問われます。

「正当の事由」とは?わかりやすく解説の要点

正当の事由とは?

正当の事由とは、建物の貸主が更新を拒み、又は解約を申し入れるために必要とされる正当な理由のこと(法28条)。

・住まいや店舗を失うと借主の生活・事業が立ち行かなくなるため、貸主の都合だけでは契約を終わらせられないようにしています。

カエルさん
カエルさん
・借家で最もよく問われる論点のひとつです。「誰に必要か」と「何を考慮するか」を押さえましょう。

必要になる場面

・正当の事由が必要になるのは、貸主から次のことをするときだけです。

場面 正当の事由
貸主からの更新拒絶の通知(法26条1項) 必要
貸主からの解約の申入れ(法27条1項) 必要
借主からの更新拒絶・解約の申入れ 不要

 

【補足】正当の事由がなければ、更新拒絶の通知や解約の申入れをすること自体ができません。通知をした後で事由を用意すればよい、というものではありません。

正当の事由の図解

何を考慮して判断するか

・法28条は、次の事情を考慮して判断すると定めています。

考慮される事情 位置づけ
貸主と借主が建物の使用を必要とする事情 主たる要素
建物の賃貸借に関する従前の経過 補助的な要素
建物の利用状況及び建物の現況 補助的な要素
立退料などの財産上の給付の申出 補助的な要素

 

・中心になるのは双方が建物を使う必要がどれだけあるかです。ほかの事情は、これを補って総合的に判断されます。

カエルさん
カエルさん
・転借人がいるときは、転借人が使用を必要とする事情も考慮されます(法28条かっこ書)。

立退料を出せば必ず認められるのか

・立退料の申出は、正当の事由を補強する一要素にすぎません。金銭を出せば当然に正当の事由が認められるわけではありません。

建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

・条文も「その申出を考慮して」と書いているだけで、「申し出れば足りる」とはしていません。

【補足】貸主が自分で住む必要が高い場合など、使用の必要性がある程度そろっていて、あと一歩を立退料が埋める、というのが典型的な使われ方です。

借主に不利な特約は無効

・法28条も借地借家法第3章第1節にあるため、これに反する特約で借主に不利なものは無効です(法30条)。

・たとえば「貸主は正当の事由がなくても更新を拒絶できる」という特約は無効です。

カエルさん
カエルさん
・「当事者が合意していれば有効」という選択肢に飛びつかないようにしましょう。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
貸主が更新を拒むには、正当の事由が必要である。
立退料を申し出れば、正当の事由は必ず認められる。
正当の事由の主たる要素は、建物を使う必要性である。
借主が解約を申し入れるには、正当の事由が必要である。
正当の事由がなくても更新を拒めるという特約は、有効である。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア ○ 正しい

・そのとおりです。貸主からの更新拒絶の通知は、正当の事由があると認められる場合でなければすることができません(法28条)。
・住まいや店舗を失うと借主の生活が立ち行かなくなるため、貸主の都合だけで終わらせられないようにしています。
・借主から更新を拒むときは正当の事由は不要です。どちらからかで結論が変わります。

イ × 誤り

・必ず認められるわけではありません。立退料の申出は考慮される一要素にすぎません(法28条)。
・条文も「その申出を考慮して」と書いているだけで、申し出れば足りるとはしていません。
・正しくは「立退料は正当の事由を補強する要素の一つ」です。「必ず」「当然に」とある選択肢は誤りと考えてよいでしょう。

ウ ○ 正しい

・そのとおりです。貸主と借主が建物の使用を必要とする事情が主たる要素とされています(法28条)。
・誰がより住まい・店舗を必要としているかが、契約を続けるかどうかの中心になるからです。
・従前の経過や建物の現況、立退料の申出は、この主たる要素を補う位置づけです。

エ × 誤り

・借主からの解約に正当の事由は不要です。必要なのは貸主からの更新拒絶・解約の申入れだけです(法28条)。
・借地借家法は借主を守るための法律で、守られる側に条件を課す必要がないからです。
・正しくは「借主からの解約の申入れに正当の事由は不要」です。主語を入れ替えた引っかけが定番です。

オ × 誤り

無効です。法28条に反し借主に不利な特約にあたるため、効力を生じません(法30条)。
・特約で自由に外せるなら、正当の事由という要件を置いた意味がなくなってしまうからです。
・正しくは「借主に不利なので無効」です。逆に借主に有利な特約であれば有効になります。

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