出題の重要度 ★★★
「借地契約の更新」をわかりやすく解説

借地契約の更新とは?
・借地契約の更新とは、借地権の存続期間が満了しても、従前と同一の条件で契約が続くことをいいます。更新には3つの形があります。
| 更新の形 | 内容 | 建物 |
| 合意更新 | 当事者が合意して更新する | 不要 |
| 請求更新 | 借地権者が更新を請求する(法5条1項) | 必要 |
| 使用継続による更新 | 満了後も借地権者が土地を使い続ける(法5条2項) | 必要 |
建物があることが条件
・借地借家法5条では、以下のように規定されています。
借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、…従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
【補足】借地借家法が守ろうとしているのは土地ではなく、その上に建てた建物です。建物が滅失していれば守るべき対象がなくなるので、更新されません。

更新を拒むには正当の事由が要る
・請求更新も使用継続による更新も、借地権設定者が遅滞なく異議を述べれば阻止できます。ただしその異議には正当の事由が必要です(法6条)。
| 考慮される事情 |
| ・双方が土地の使用を必要とする事情(主たる要素) |
| ・借地に関する従前の経過 |
| ・土地の利用状況 |
| ・立退料の申出(財産上の給付の申出) |
更新後の期間
・更新後の期間は、1回目が20年、2回目以降は10年です(法4条)。
| 区分 | 期間 |
| 1回目の更新後 | 20年(契約でこれより長くできる) |
| 2回目以降の更新後 | 10年(契約でこれより長くできる) |
【補足】更新後も短くする特約は無効です(法9条)。1回目の更新で10年と定めても、20年になります。
更新がないときの建物買取請求権
・存続期間が満了し契約の更新がないときは、借地権者は建物等を時価で買い取るべきことを請求できます(法13条1項)。
| 項目 | 内容 |
| 性質 | 形成権。請求すれば当然に売買契約が成立する |
| 価格 | 時価 |
| 債務不履行で解除されたとき | 行使できない |
| 特約 | 借地権者に不利な特約は無効 |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 建物がなくても、借地契約の更新を請求できる。 |
| イ | 借地権設定者は、理由がなくても更新を拒める。 |
| ウ | 立退料を払えば、必ず正当の事由が認められる。 |
| エ | 更新後の期間を10年と定める合意は、常に有効である。 |
| オ | 更新がないときは、建物を時価で買い取るよう請求できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | × | × | × | ○ |
ア × 誤り
・正しくは、更新の請求は建物がある場合に限り認められます(法5条1項)。
・借地借家法が守ろうとしているのは土地ではなく建物だからです。
・満了後の使用継続による更新も同じく建物が必要です。合意更新だけが例外です。
イ × 誤り
・正しくは、異議を述べるには正当の事由が必要です(法6条)。
・双方が土地を使う必要性を主軸に、従前の経過や土地の利用状況も考慮されます。
・「遅滞なく異議を述べればよい」と書かれていたら、正当の事由が抜けていないか確認しましょう。
ウ × 誤り
・正しくは、立退料は補完的な要素にすぎません(法6条)。払えば当然に認められるわけではありません。
・中心になるのは、双方が土地の使用を必要とする事情です。
・「必ず」「当然に」と書かれた選択肢は疑いましょう。総合判断だというのが結論です。
エ × 誤り
・正しくは、1回目の更新では20年より短い定めは無効になり、20年になります(法4条、9条)。
・2回目以降の更新であれば10年が原則なので、10年の定めは有効です。
・「常に」が入ると誤りになる典型です。何回目の更新かで結論が変わります。
オ ○ 正しい
・借地権者は建物買取請求権を行使できます(法13条1項)。価格は時価です。
・請求すれば当然に売買契約が成立する形成権で、相手の承諾は要りません。
・ただし借地権者の債務不履行で解除された場合は行使できません。ここが引っかけです。
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