「規制区域」をわかりやすく解説
規制区域とは?
・規制区域とは、一定の土地の売買契約や土地の賃貸借契約などの両当事者が、契約前に都道府県知事の許可を受けることを必要としている区域のこと。
・規制区域では、土地の適正な利用と地価の上昇防止のため、「土地の利用目的が適正か否か」と「土地に関する権利の移転又は設定の対価の額が適正か否か」が厳しく審査されます。
規制区域の指定
・規制区域は、都道府県知事等が指定し、土地利用審査会が、規制区域の指定の公告から2週間以内に規制区域の指定が適正であるかを確認します。
・規制区域は5年以内の期限を定めて指定され、原則再指定が行われます。
・規制区域は、以下のように指定されます。
- 都市計画区域内では、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、または行われるおそれがあり、地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあると認められる区域で指定されます。
- 都市計画区域外では、投機的取引が行われ、地価が急激に上昇すると認められる場合において、その事態を緊急に除去しなければ適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難となると認められる区域で指定されます。
規制区域において許可申請が必要な契約
・規制区域における許可申請は、土地の面積に関わらず許可申請が必要な種類の契約で必要となります。
・土地に関する権利の移転または設定に関する契約で、対価の授受があるものは許可申請が必要です。
・以下に挙げるものが、規制区域において許可申請の必要となる主な契約です。
- 売買(予約を含む)、交換
- 譲渡担保、代物弁済
- 形成権の譲渡
- 一時金の授受がある地上権、賃借権の設定
・抵当権の設定は、許可申請が不要となるので注意しましょう。
規制区域において許可申請が不要な場合
・規制区域において許可申請が不要な場合は、以下のものなどが挙げられます。
- 農地法3条1項の許可があった場合
- 民事調停法の調停に関する場合
- 遊休土地を買い取る場合
・規制区域においては、契約の当事者の一方または双方が国や地方公共団体の場合、協議をもって許可があったものとみなします。
規制区域における許可申請の方法
・規制区域で土地の売買や賃貸などをする両当事者は、契約締結前に市町村長を経由して都道府県知事等許可を申請する必要があります。
・規制区域における許可申請では、契約の年月日、土地の利用目的、土地に関する権利の移転又は設定の対価の額などの事項を提出する必要があります。
・規制区域において許可申請の内容を変更した場合、土地に関する権利の移転又は設定の対価の額を減額する場合以外、再度許可申請を行う必要があります。
規制区域における許可申請の審査
・規制区域における許可申請では、土地の利用目的に加え、土地に関する権利の移転又は設定の対価の額も審査の対象となります。
・都道府県知事は、許可申請があった日から起算して6週間以内に、契約締結に関して許可または不許可の処分をしなければなりません。
・6週間経っても都道府県知事等から許可または不許可の処分がない場合には、許可があったものとみなし契約を締結することができます。
・規制区域において、都道府県知事等から不許可の処分を受けた土地の所有者は、都道府県知事等に土地を買い取るように請求することができます。
規制区域における契約の効果と罰則
・規制区域内で許可申請後処分を待たずに契約をした場合、契約は無効で、罰則の適用があります。
・規制区域内で都道府県知事等からの不許可の処分に従わない場合、契約は無効で、罰則の適用があります。
・規制区域内で許可申請をしないで契約をした場合も、契約は無効で、罰則の適用があります。