出題の重要度 ★★☆
「不動産取得税の課税標準の特例」をわかりやすく解説

課税標準とは?
・税額は「課税標準×税率」で決まります。この課税標準は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)です。
・実際に売買した金額ではない点に注意しましょう。評価額は時価より低めに付けられることが多く、その評価額を基準に税額を計算します。
【補足】この課税標準を直接軽くするのが、以下で見る新築住宅の控除や宅地の特例です。税率ではなく課税標準を下げる点が共通しています。
新築住宅は1200万円を控除
・一定の新築住宅を取得した場合、課税標準から一戸あたり1200万円が控除されます(地方税法73条の14)。
・つまり評価額が1200万円までなら、控除によって課税標準がゼロになり、住宅部分の不動産取得税はかかりません。マイホーム取得の負担を抑えるためのしくみです。
【補足】認定長期優良住宅なら、控除額は1300万円に上乗せされます。

宅地の課税標準は2分の1
・住宅の敷地などの宅地を取得したときは、課税標準が価格の2分の1になります(時限的な特例)。土地の評価額そのものを半分にして計算するイメージです。
・土地についてのこの特例と、建物についての1200万円控除は別のものです。土地は2分の1、建物は1200万円控除と、対象ごとに区別して覚えましょう。
免税点
・課税標準となる額が一定額に満たないときは、そもそも課税されません。これを免税点といいます(地方税法73条の15の2)。少額の取得にまで課税しないためのしくみです。
| 取得の区分 | 免税点 |
| 土地の取得 | 16万円 |
| 家屋(新築・増築など建築) | 66万円 |
| 家屋(売買などその他) | 34万円 |
【補足】この免税点の金額は令和8年度に引き上げられました。古い数値(土地10万円・建築23万円・その他12万円)で覚えていた場合は、上書きしておきましょう。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 課税標準は、実際に売買した金額である。 |
| イ | 新築住宅は課税標準から1200万円が控除される。 |
| ウ | 課税標準が免税点未満でも課税される。 |
| エ | 土地を取得したときの免税点は16万円である。 |
| オ | 課税標準の特例を使うと税率が下がる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | × | ○ | × |
ア × 誤り
・誤りです。課税標準は原則固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産評価額)で、実際の売買金額ではありません。
・時価や購入価格を基準にすると取引ごとに評価がぶれるため、統一された評価額を使います。
・「税額=課税標準×税率」で、この課税標準が評価額である点は取得税・固定資産税に共通します。
イ ○ 正しい
・正しいです。要件を満たす新築住宅は、一戸あたり1,200万円を課税標準から控除できます。
・認定長期優良住宅なら、さらに手厚く1,300万円が控除されます。
・これは税額ではなく課税標準から引く控除で、評価額が1,200万円以下なら取得税は実質ゼロになります。
ウ × 誤り
・誤りです。課税標準が免税点未満なら課税されません。免税点は「これ未満なら課税しない」という下限額です。
・不動産取得税の免税点は、土地16万円、家屋の建築66万円、売買などその他34万円です。
・少額の取得にまで課税する事務負担を避けるための仕組み、と理解しておきましょう。
エ ○ 正しい
・正しいです。土地取得の免税点は16万円です(令和8年度に引き上げられた現行の額)。
・家屋は建築(新築・増改築)が66万円、売買などその他が34万円です。
・古い教材の「10万・23万・12万」は引き上げ前の旧額なので、混同しないよう注意しましょう。
オ × 誤り
・誤りです。特例で下がるのは課税標準のほうで、税率は下がりません。
・たとえば宅地評価の土地は課税標準が価格の2分の1になりますが、税率自体は変わりません。
・「特例=課税標準を減らす」「税率は原則どおり」と切り分けると、この手の引っかけに強くなります。
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