出題の重要度 ★★★
「譲渡所得の計算と長短の区分」をわかりやすく解説

譲渡所得とは?
・譲渡所得とは、土地・建物などの資産を売って得た利益にかかる所得のこと(所得税法33条)。
・利益は次の式で計算します。
・譲渡所得 = 譲渡収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額
【補足】売った金額そのものではなく、買ったときの値段や売るための費用を差し引いた「もうけ」に課税されます。
取得費と譲渡費用
・取得費は、売った資産を買ったときの購入代金や手数料など。建物は使った分だけ価値が減る(減価償却)ので、その分を差し引きます。
・譲渡費用は、売るために直接かかった費用(仲介手数料・測量費など)です。
【補足】取得費が分からないときは、譲渡収入金額の5%を取得費とすることができます(概算取得費)。

長期と短期の区分
・譲渡所得は所有期間の長さで長期と短期に分かれ、税率が変わります。
・土地・建物では、譲渡した年の1月1日の時点で所有期間が5年を超えていれば長期、5年以下なら短期です。
【補足】「売った日」ではなく「売った年の1月1日」で数えるのがポイント。売る直前に5年を超えても、その年の1月1日で5年以下なら短期です。
長期と短期で税率が違う
・長期のほうが税率が低く、短期は高くなります。土地・建物の譲渡所得は、給与などと合算しない申告分離課税です。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税) |
| 長期 | 5年超 | 低い(15%) |
| 短期 | 5年以下 | 高い(30%) |
【補足】住民税を含めると長期20%・短期39%。細かい数値より「長期=5年超で税率が低い」という枠組みを押さえましょう。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 譲渡所得は、売った金額そのものに課税される。 |
| イ | 取得費が分からないときは収入の5%を取得費にできる。 |
| ウ | 長期か短期かは、譲渡した年の1月1日で判定する。 |
| エ | 所有期間が5年以下なら長期譲渡所得になる。 |
| オ | 長期のほうが短期より税率が低い。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | × | ○ |
ア × 誤り
・誤りです。譲渡所得は売値そのものではなく、売値から取得費・譲渡費用・特別控除を差し引いた「もうけ(利益)」に課税されます。
・買ったときの値段や売却の諸費用を引けるため、売っても利益が出なければ課税されません。
・「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で課税対象を計算する、と覚えましょう。
イ ○ 正しい
・正しいです。取得費が不明なときは、譲渡収入金額の5%を取得費とみなせます(概算取得費)。
・古くから所有していて購入額が分からない土地などで使われます。
・実際の取得費が5%より高いなら実額を使えるので、有利なほうを選べると押さえましょう。
ウ ○ 正しい
・正しいです。長期か短期かは、譲渡した年の1月1日時点の所有期間で判定します。
・実際に売った日ではなく、その年の元日を基準にする点が引っかけになります。
・「所有期間は売った年の1月1日で数える」と正確に覚えておきましょう。
エ × 誤り
・誤りです。1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期、5年を超えていれば長期です。
・「5年以下=短期・5年超=長期」で、長短が逆にならないよう注意します。
・短いほうが短期・長いほうが長期、と素直に対応させれば取り違えを防げます。
オ ○ 正しい
・正しいです。長期譲渡所得のほうが税率が低く、短期は高くなります。
・短期の重い税率には、短期の転売による地価高騰を抑える狙いがあります。
・「長く持ってから売るほうが税負担は軽い」と結論で押さえておきましょう。
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