出題の重要度 ★★★
「宅地造成等に関する工事の許可」をわかりやすく解説

工事の許可とは?
・宅地造成等工事規制区域内で行われる宅地造成等に関する工事については、工事主が、工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければなりません(盛土規制法12条1項)。
宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事については、工事主は、当該工事に着手する前に、主務省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
| 項目 | 内容 |
| 許可を受ける人 | 工事主(工事の請負契約の注文者又は自らその工事をする者) |
| 時期 | 工事に着手する前 |
| 許可権者 | 都道府県知事(指定都市・中核市ではその長) |
許可がいる規模
・「宅地造成等」にあたるかどうかは、政令で定める規模で決まります(盛土規制法施行令3条・4条)。
| 行為 | 許可がいる規模 |
| 盛土 | 高さ1mを超える崖を生ずるもの |
| 切土 | 高さ2mを超える崖を生ずるもの |
| 盛土と切土を同時にする | 高さ2mを超える崖を生ずるもの |
| 崖を生じない盛土 | 高さ2mを超えるもの |
| 上記以外の盛土・切土 | 面積500㎡を超えるもの |
| 土石の堆積 | 高さ2m超、又は面積500㎡超 |

許可の4つの基準
・都道府県知事は、申請が次の基準に適合しないと認めるときは、許可をしてはなりません(盛土規制法12条2項)。
- 工事の計画が技術的基準に適合するものであること
- 工事主に、工事を行うために必要な資力及び信用があること
- 工事施行者に、工事を完成するために必要な能力があること
- 工事をしようとする土地の区域内の土地について権利を有する者の全ての同意を得ていること
許可の手続きと特例
・許可の前後の手続きも問われます。
| 場面 | 内容 |
| 処分 | 知事は遅滞なく許可又は不許可の処分をし、許可のときは許可証を交付する |
| 工事の着手 | 許可証の交付を受けた後でなければ工事はできない |
| 条件 | 知事は、災害を防止するため必要な条件を付することができる |
| 公表・通知 | 許可をしたときは、工事主の氏名等を公表し、関係市町村長に通知する |
| 国・都道府県等 | 知事との協議が成立すれば許可があったものとみなされる |
| 開発許可を受けたとき | 区域の指定後に開発許可を受けたときは、許可を受けたものとみなされる |
計画を変えるときは変更の許可
・許可を受けた者が工事の計画を変更しようとするときは、あらためて都道府県知事の許可が必要です(盛土規制法16条1項)。
・ただし、主務省令で定める軽微な変更をしたときは、許可ではなく遅滞なく届け出れば足ります(同条2項)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 工事の許可を受けるのは、工事施行者である。 |
| イ | 許可は、工事に着手した後に受ければよい。 |
| ウ | 盛土で高さ1mを超える崖ができるなら、許可がいる。 |
| エ | 工事主に資力や信用がなくても、許可を受けられる。 |
| オ | 国が行う工事は、知事との協議が成立すれば許可があったものとみなされる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | × | ○ | × | ○ |
ア × 誤り
・・誤りです。正しくは工事主が許可を受けます(盛土規制法12条1項)。
・工事主は注文者や自ら工事をする者で、工事施行者は請負人のことです。責任を負う立場が違います。
・「工事主」と「工事施行者」を入れ替える引っかけが定番です。読み飛ばさないようにしましょう。
イ × 誤り
・・誤りです。正しくは、工事に着手する前に許可を受けなければなりません。
・崖崩れを未然に防ぐための制度なので、着手後の許可では意味がありません。
・さらに、実際の工事は許可証の交付を受けた後でなければできません。
ウ ○ 正しい
・・そのとおりです。盛土で高さ1mを超える崖を生ずるものは宅地造成等にあたります(施行令3条1号)。
・盛土は締め固めが甘いと崩れやすいため、切土より低い高さから規制されます。
・切土は2m超、盛土と切土を同時にする場合も2m超です。盛土だけが1m超と押さえましょう。
エ × 誤り
・・誤りです。正しくは、工事主に必要な資力及び信用がなければ許可をしてはなりません(盛土規制法12条2項2号)。
・途中で工事が止まると、崖が崩れかけたまま放置されてしまうからです。
・工事施行者に求められるのは「能力」です。だれに何が必要かを対で覚えましょう。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。国や都道府県、指定都市、中核市が行う工事は、知事との協議の成立で許可があったものとみなされます(盛土規制法15条1項)。
・公的な主体どうしなので、許可という形をとらず協議で調整する仕組みです。
・「国でも許可が必要」とする選択肢は誤りです。協議でよい点を押さえましょう。
この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。
