出題の重要度 ★★★
「工事等の届出」をわかりやすく解説

工事等の届出とは?
・工事等の届出とは、宅地造成等工事規制区域内で、許可までは必要ない場面について、都道府県知事に知らせておく手続きのことです(盛土規制法21条)。
・届出が求められるのは、次の3つの場面です。いずれも届出先は都道府県知事です。
| 場面 | 期限 |
| 区域の指定の際、すでに工事を行っている工事主 | 指定があった日から21日以内 |
| 擁壁等を除却する工事をしようとする者 | 着手する日の14日前まで |
| 公共施設用地を転用した者 | 転用した日から14日以内 |
指定の際に工事をしていたとき
・宅地造成等工事規制区域が指定されたとき、すでにその区域内で工事をしていた工事主は、指定があった日から21日以内に、その工事について知事に届け出なければなりません(盛土規制法21条1項)。
【補足】知事は、この届出を受理したときは、工事主の氏名等を公表し、関係市町村長に通知しなければなりません。許可をしたときと同じ扱いです。

擁壁等を除却する工事をするとき
・区域内の土地で、次のものの全部又は一部を除却する工事をしようとする者は、その工事に着手する日の14日前までに届け出なければなりません(盛土規制法21条3項、施行令26条1項)。
- 高さが2mを超える擁壁、又は崖面崩壊防止施設
- 地表水等を排除するための排水施設
- 地滑り抑止ぐい等
【補足】これから除却するという事前の届出です。「工事をした後14日以内」とする選択肢は誤りです。
公共施設用地を転用したとき
・区域内で、公共施設用地を宅地又は農地等に転用した者は、転用した日から14日以内に届け出なければなりません(盛土規制法21条4項)。
・公共施設用地とは、道路・公園・河川などに使われている土地のことで、そもそも宅地ではありません。
まちがえやすいところ
・21日以内・14日前まで・14日以内の3つを、場面とセットで覚えます。
| 見分け方 | 内容 |
| 前に届け出る | 擁壁等の除却工事だけ(着手する日の14日前まで) |
| 後に届け出る | 区域指定の際の工事(21日以内)、公共施設用地の転用(14日以内) |
【補足】すでに12条1項の許可を受けた者などは、これらの届出をする必要はありません。二重に手続きをさせない趣旨です。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | これらの届出先は、都道府県知事である。 |
| イ | 区域の指定時にすでに工事中の工事主は、21日以内に届け出る。 |
| ウ | 擁壁を除却する工事は、着手した後に届け出ればよい。 |
| エ | 公共施設用地を宅地に転用したら、1か月以内に届け出る。 |
| オ | 高さ1mの擁壁を除却するときも、届出がいる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | × | × |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。工事等の届出はいずれも都道府県知事に対してします(盛土規制法21条)。
・区域を指定し、許可を出すのも知事なので、届出も同じ知事に集めるのが自然だからです。
・「市町村長に届け出る」「国土交通大臣に届け出る」という選択肢は誤りです。
イ ○ 正しい
・・そのとおりです。指定があった日から21日以内に、その工事について知事に届け出ます(盛土規制法21条1項)。
・すでに始まっている工事を止めるのは酷なので、許可ではなく届出で把握する仕組みです。
・「14日以内」に置き換える引っかけが出ます。この場面だけが21日と覚えましょう。
ウ × 誤り
・・誤りです。正しくは、工事に着手する日の14日前までに届け出ます(盛土規制法21条3項)。
・擁壁を取り除くと崖が崩れるおそれがあるため、事前に知事が把握する必要があるからです。
・3つの届出のうち、事前の届出はこれだけです。「前」か「後」かで整理しましょう。
エ × 誤り
・・誤りです。正しくは、転用した日から14日以内に届け出ます(盛土規制法21条4項)。
・道路や公園だった土地が宅地になれば、新たに災害のおそれが生じるからです。
・「1か月」「21日」に置き換える引っかけが出ます。転用は14日以内と覚えましょう。
オ × 誤り
・・誤りです。届出が必要なのは、高さが2mを超える擁壁などを除却するときです(施行令26条1項)。
・小さな擁壁まで対象にすると、日常の手直しまで手続きが必要になってしまうためです。
・「2m」ではなく「2mを超える」です。ちょうど2mなら届出はいりません。
この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。
