出題の重要度 ★★★
「物件に関する重要事項」をわかりやすく解説

物件に関する重要事項とは?
・35条書面で説明する事項は、大きく物件に関する事項と取引条件に関する事項に分けられます。
・このうち物件に関する重要事項とは、その宅地・建物がどんな物件なのかを伝える事項のことです(宅建業法35条1項1号〜6号の2など)。
どんな取引でも説明する事項
・売買でも交換でも貸借でも、次の事項は必ず説明します。
| 説明する事項 | 内容 |
| 登記された権利の種類及び内容 | 抵当権や賃借権の有無、登記名義人の氏名など |
| 法令に基づく制限の概要 | 都市計画法・建築基準法などによる制限 |
| 飲用水・電気・ガスの供給、排水の施設 | 整備の状況。未整備なら見通しと特別の負担 |
| 工事完了前のときは完了時の形状・構造 | 図面が必要なときは図面も交付します |
| 既存の建物のときは建物状況調査 | 調査を実施しているかどうかと結果の概要 |
【補足】建物状況調査については、実施の有無と結果の概要のほかに、設計図書や点検記録などの書類の保存の状況も説明します。

私道に関する負担
・私道に関する負担については、建物の貸借のときだけ説明が不要です(宅建業法35条1項3号)。
| 取引 | 私道負担の説明 |
| 宅地の売買・交換 | 必要 |
| 建物の売買・交換 | 必要 |
| 宅地の貸借 | 必要 |
| 建物の貸借 | 不要 |
区分所有建物のとき
・マンションのような区分所有建物のときは、次の事項が加わります(宅建業法35条1項6号)。
| 説明する事項 |
| 敷地に関する権利の種類及び内容 |
| 共用部分に関する規約の定め |
| 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め |
| 管理が委託されているときはその委託先の氏名・住所 |
| 修繕積立金や通常の管理費用に関する事項 |
【補足】区分所有建物の売買では上の事項をすべて説明しますが、貸借のときは利用の制限に関する規約と管理の委託先だけを説明すれば足ります。借りる人にとって意味のある情報に絞られています。
省令が加えた災害・安全に関する事項
・国土交通省令は、次の事項も説明の対象としています(施行規則16条の4の3)。
| 説明する事項 | 対象 |
| 造成宅地防災区域内にあるときはその旨 | すべての取引 |
| 土砂災害警戒区域内にあるときはその旨 | すべての取引 |
| 津波災害警戒区域内にあるときはその旨 | すべての取引 |
| 水害ハザードマップにおける物件の所在地 | すべての取引 |
| 石綿の使用の調査結果が記録されているときはその内容 | 建物 |
| 耐震診断を受けているときはその内容 | 建物(昭和56年6月1日以後の着工を除く) |
| 住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨 | 建物の売買・交換 |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 建物を借りるときは、私道の負担を説明しなくてよい。 |
| イ | 水道やガスの整備状況は、説明しなければならない。 |
| ウ | 建物に石綿が使われているか、必ず調査する。 |
| エ | 物件が土砂災害警戒区域内にあれば、その旨を説明する。 |
| オ | 登記されている抵当権は、説明しなくてよい。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・私道に関する負担の説明が不要なのは、建物の貸借のときだけです(宅建業法35条1項3号)。
・部屋を借りる人が私道の負担を負うことはないため、説明する意味が乏しいからです。
・宅地の貸借では説明が必要です。「貸借だから不要」とまとめると誤ります。
イ ○ 正しい
・飲用水・電気・ガスの供給と排水のための施設の整備状況は説明事項です(35条1項4号)。
・整備されていないときは、整備の見通しと、そのための特別の負担についても説明します。
・生活に直結する情報なので、売買でも貸借でも説明が必要です。
ウ × 誤り
・誤りです。正しくは、調査する義務はなく、調査結果の記録があるときにその内容を説明するだけです。
・耐震診断についても同じで、診断を受けていればその内容を説明すれば足ります。
・「必ず調査する」「必ず診断する」と書かれていたら誤りだと判断できます。
エ ○ 正しい
・土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明します(施行規則16条の4の3第2号)。
・造成宅地防災区域、津波災害警戒区域も同じ扱いで、売買でも貸借でも説明が必要です。
・水害ハザードマップにおける物件の所在地も説明事項に加わっています。
オ × 誤り
・誤りです。正しくは、登記された権利の種類と内容は説明事項です(35条1項1号)。
・抵当権が付いたままだと、買主が後で所有権を失うおそれがあるため、判断に欠かせない情報だからです。
・「引渡しまでに抹消するから説明不要」ということにもなりません。現状を伝える必要があります。
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