出題の重要度 ★★★
「宅地建物取引業法」をわかりやすく解説
宅建業法とは?
・宅地建物取引業法(宅建業法)とは、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことで、購入者等の利益の保護と流通の円滑化を図る法律のこと。
・宅建試験では50問中20問(問26〜問45)が出題される、最も配点の大きい分野です。

宅建業法の全体像
| 段階 | 内容 |
| ① そもそも宅建業か | 宅地建物取引業の定義🔗、宅地の定義 |
| ② 営業するための資格 | 免許🔗、宅地建物取引士🔗、専任の宅建士の設置🔗 |
| ③ お金の担保 | 営業保証金🔗、宅地建物取引業保証協会🔗 |
| ④ 取引のルール | 媒介契約🔗、重要事項の説明(35条書面)🔗、37条書面🔗 |
| ⑤ 業者が売主のときの上乗せ規制 | 8種制限(クーリング・オフ🔗、手付金等の保全措置🔗 など) |

まず押さえたい3つのポイント
① 自ら貸借は宅建業にあたらない
| 売買 | 交換 | 貸借 | |
| 自ら | 該当する | 該当する | 該当しない |
| 代理 | 該当する | 該当する | 該当する |
| 媒介 | 該当する | 該当する | 該当する |
② 35条書面と37条書面の違い
| 項目 | 35条書面 | 37条書面 |
| タイミング | 契約成立まで | 契約成立後、遅滞なく |
| 相手 | 取得者・借主側のみ | 契約の当事者(双方) |
| 宅建士の説明 | 必要 | 不要 |
| 宅建士の記名 | 必要 | 必要 |
③ 8種制限は「業者が自ら売主」のときだけ
🔗
・8種制限は、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合にだけ適用されます。
| 8種制限 |
| ・クーリング・オフ |
| ・損害賠償額の予定等の制限(代金の2割まで) |
| ・手付の額の制限等(代金の2割まで) |
| ・手付金等の保全措置 |
| ・自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限 |
| ・契約不適合責任についての特約の制限 |
| ・割賦販売契約の解除等の制限 |
| ・所有権留保等の禁止 |
【補足】宅建業法は暗記が中心ですが、数字は「なぜその数字なのか」より「何と何が対になっているか」で覚えると定着します。営業保証金1,000万円と分担金60万円、専任媒介7日と2週間、専属専任5日と1週間、といった対応関係を意識しましょう。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 8種制限は、業者が自ら売主のときに適用される。 |
| イ | 買主も業者のときは、8種制限が適用される。 |
| ウ | 35条書面は契約の前、37条書面は契約の後に交付する。 |
| エ | 37条書面は、宅建士が説明しなければならない。 |
| オ | 自ら貸借を行うには、免許が必要である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | × |
ア ○ 正しい
・8種制限は、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合にだけ適用されます。
・クーリング・オフ、手付の額の制限、損害賠償額の予定等の制限、契約不適合責任の特約の制限などがこれにあたります。
・媒介や代理として関わるだけの取引には適用されません。まず「自ら売主か」を確認するのが手順です。
イ × 誤り
・買主が宅建業者であるときは適用されません。プロどうしの取引まで保護する必要がないからです。
・住宅瑕疵担保履行法の資力確保措置も、買主が業者なら不要です。同じ発想で整理できます。
・一方、35条書面や37条書面は買主が業者でも必要です(35条は説明を省略できるだけ)。「業者相手なら全部不要」ではない点に注意しましょう。
ウ ○ 正しい
・35条書面は契約が成立するまでの間に交付して説明し、37条書面は契約が成立した後、遅滞なく交付します。
・35条書面は「買うかどうかを決めるための情報」、37条書面は「決まった内容を残す書面」と考えると順番を間違えません。
・どちらも宅建士の記名が必要ですが、説明が必要なのは35条書面だけです。
エ × 誤り
・37条書面に説明義務はありません。宅建士がしなければならないのは記名だけです。
・交付する義務を負うのは宅建業者であり、宅建士が交付しなければならないわけでもありません。
・35条書面は「説明+記名+取引士証の提示」、37条書面は「記名」のみ。この差が繰り返し問われます。
オ × 誤り
・自ら貸借は宅建業にあたらないため、免許は不要です。自分のビルやアパートを他人に貸す行為がこれにあたります。
・宅建業になるのは、宅地建物の売買・交換を自ら行う場合と、売買・交換・貸借の代理・媒介を行う場合です。
・転貸(サブリース)も自ら貸借にあたり免許は不要です。「他人の物件を借りて貸すなら必要」という引っかけに注意しましょう。
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