出題の重要度 ★★☆
「罰則」をわかりやすく解説
罰則とは?
・罰則とは、宅地建物取引業法に違反した場合に科される刑罰のこと。
・免許権者が行う監督処分(行政処分)とは別に、裁判所によって科されます。

主な罰則
| 法定刑 | 主な違反行為 |
| 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科 | ・無免許営業 ・不正の手段により免許を受けた ・名義貸し(他人に宅建業を営ませた) ・業務停止処分に違反して業務を営んだ |
| 2年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科 | ・重要な事実の不告知・不実告知 |
| 1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科 | ・不当に高額の報酬の要求 |
| 6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科 | ・誇大広告等の禁止違反 ・営業保証金の供託の届出前の事業開始 ・手付についての信用の供与による誘引 |
| 100万円以下の罰金 | ・免許申請書等に虚偽の記載をして提出 ・無免許で宅建業を営む旨の表示・広告 ・報酬の限度額を超えて報酬を受領 |
| 50万円以下の罰金 | ・変更の届出・案内所等の届出をしない、又は虚偽の届出 ・37条書面の不交付 ・報酬額の不掲示・標識の不掲示 ・従業者証明書を携帯させない ・従業者名簿・帳簿の不備 ・守秘義務違反 |
【補足】35条書面の不交付には直接の罰則規定がありません。37条書面の不交付は50万円以下の罰金です。

両罰規定
・宅地建物取引業法第八十四条では、法人の従業者等が違反行為をしたときに、行為者を罰するほか、法人にも罰金刑を科すと規定されています。
| 違反行為 | 法人に科される罰金 |
| 無免許営業・不正の手段による免許取得・名義貸し・業務停止処分違反・重要な事実の不告知等 | 1億円以下の罰金 |
| その他の違反 | 各本条の罰金刑 |
宅地建物取引士に対する過料
| 違反行為 | 制裁 |
| 宅地建物取引士証の返納・提出をしなかった | 10万円以下の過料 |
| 重要事項の説明の際に宅地建物取引士証を提示しなかった | 10万円以下の過料 |
【補足】過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰です。前科にはなりません。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 無免許で営業すると、罰則の対象になる。 |
| イ | 誇大広告をすると、3年以下の拘禁刑の対象になる。 |
| ウ | 従業者名簿を備えないと、罰金の対象になる。 |
| エ | 法人の従業者が無免許営業をすると、法人も罰金を科されることがある。 |
| オ | 重要事項の説明で取引士証を見せないと、罰金を科される。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・無免許営業は宅建業法違反のなかで最も重い罰則で、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科もあり)です。
・同じ重さなのは、不正手段で免許を受けた場合・名義貸しで営業させた場合・業務停止命令に違反して営業した場合の3つ。いずれも「免許制度そのものを壊す行為」だと考えると覚えやすいです。
イ × 誤り
・誇大広告の罰則は6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、3年以下ではありません。
・3年以下になるのは無免許営業など免許制度に関わるもの。広告の規制違反はそれより一段軽い、と押さえておきましょう。
・なお誇大広告は、実際に誰かが誤解したり損をしたりしなくても、広告を出した時点で違反になります。
ウ ○ 正しい
・従業者名簿を備え付けないと50万円以下の罰金です。記載しなかった場合や虚偽記載も同じ扱いになります。
・帳簿を備え付けない場合、37条書面を交付しない場合も同じ50万円以下の罰金。事務所に置くもの・渡す書面をさぼったときの罰、とまとめて覚えると整理できます。
エ ○ 正しい
・両罰規定といって、違反した本人だけでなく、その人を使っている法人にも罰金が科されます。
・無免許営業の場合、法人に科されるのは1億円以下の罰金で、行為者本人の300万円以下よりはるかに重い金額です。
・ただし重くなるのは無免許営業などごく一部で、それ以外は法人にも各条文どおりの罰金額が科されます。
オ × 誤り
・取引士証を提示しなかったときは罰金ではなく10万円以下の過料です。
・過料は行政上のペナルティで、刑罰である罰金とは別物。前科にもなりません。「罰金」と書いてあれば誤り、と判断できるようにしておきましょう。
・過料になるのは他に、取引士証を返納しなかった場合や、登録を消除されたのに証を返さなかった場合などです。
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