出題の重要度 ★★★
「従業者名簿」をわかりやすく解説

従業者名簿とは?
・従業者名簿とは、宅地建物取引業者が事務所ごとに備え、従業者の氏名などを記載しておく名簿のこと(宅建業法48条3項)。
宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。
【補足】備え付けるのは事務所ごとです。案内所等の規制には従業者名簿を備える必要はありません。
名簿に記載する事項
・記載しなければならない事項は、法律と施行規則17条の2で次のように定められています。
| 記載事項 | 備考 |
| 氏名 | 従業者の氏名 |
| 従業者証明書の番号 | その者に交付した証明書の番号 |
| 主たる職務内容 | どのような仕事に従事しているか |
| 宅地建物取引士であるか否かの別 | 宅地建物取引士かどうか |
| 従業者となった年月日 | その事務所の従業者になった日 |
| 従業者でなくなった年月日 | その事務所の従業者でなくなったときはその日 |

保存期間は10年間
・従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存しなければなりません(施行規則17条の2第4項)。
| 書類 | 保存期間 |
| 従業者名簿 | 最終の記載をした日から10年間 |
| 帳簿 | 各事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅は10年間) |
【補足】名簿の記載事項がパソコンなどに記録され、必要に応じてその事務所で紙面に表示できるときは、その記録をもって記載に代えることができます。
取引の関係者に閲覧させる
・宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があったときは、従業者名簿をその者の閲覧に供しなければなりません(宅建業法48条4項)。
| 書類 | 閲覧させる義務 |
| 従業者名簿 | ある(取引の関係者から請求があったとき) |
| 帳簿 | ない |
【補足】事務所に備え付けるもののうち、閲覧させる義務があるのは従業者名簿だけです。帳簿には閲覧義務がありません。
従業者証明書との違い
・従業者名簿とまぎらわしいのが従業者証明書です。名簿は事務所に備えるもの、証明書は従業者が持ち歩くものです。
| 項目 | 従業者名簿 | 従業者証明書 |
| 置き場所 | 事務所ごとに備える | 従業者に携帯させる |
| 提示・閲覧 | 取引の関係者の請求で閲覧させる | 取引の関係者の請求で提示する |
| 対象者 | その事務所の従業者 | 非常勤の役員やアルバイトを含む全従業者 |
【補足】宅地建物取引士証を提示しても、従業者証明書の提示に代えることはできません。まったく別のものです。
・事務所に備え付けるものの全体像は事務所に備え付けるもので確認してください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 従業者名簿は、事務所ごとに備える。 |
| イ | 案内所にも従業者名簿を備える必要がある。 |
| ウ | 名簿は、最終の記載をした日から10年間保存する。 |
| エ | 取引の関係者から請求があっても、閲覧させる必要はない。 |
| オ | 名簿には、宅建士かどうかの別を記載する。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。宅地建物取引業者はその事務所ごとに従業者名簿を備えなければなりません(宅建業法48条3項)。
・本店にまとめて置いておけばよい、というものではありません。事務所単位で備えます。
・帳簿も同じく事務所ごとに備えます。まとめて覚えておきましょう。
イ × 誤り
・・誤りです。従業者名簿を備えるのは事務所だけで、案内所には必要ありません。
・案内所に必要なのは標識と、契約や申込みを受ける場所であれば専任の宅地建物取引士です。
・報酬額の掲示・従業者名簿・帳簿は事務所だけ、と3つまとめて押さえておきましょう。
ウ ○ 正しい
・・そのとおりです。従業者名簿の保存期間は最終の記載をした日から10年間です。
・退職した従業者についても記録が残るようにして、後日の紛争に備える趣旨です。
・帳簿は閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅は10年間)です。数字の入れ替えに注意しましょう。
エ × 誤り
・・誤りです。取引の関係者から請求があったときは閲覧させなければなりません(宅建業法48条4項)。
・取引の相手が、目の前の担当者が本当にその会社の従業者なのかを確かめられるようにするためです。
・閲覧義務がないのは帳簿のほうです。名簿と帳簿で結論が逆になる点が最頻出です。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。宅地建物取引士であるか否かの別は記載事項のひとつです(施行規則17条の2第1項2号)。
・重要事項の説明などは宅建士でなければできないため、区別が分かるようにしています。
・ほかに主たる職務内容も記載事項です。住所や生年月日は記載事項ではありません。
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