出題の重要度 ★★☆
「聴聞」をわかりやすく解説

聴聞とは?
・聴聞とは、行政庁が不利益な処分をする前に、処分を受ける人に言い分を述べる機会を与える手続のこと。
・行政手続法では、重い処分をするときにだけ聴聞を行い、軽い処分は弁明の機会の付与で足りるとされています。
・聴聞では、処分を受ける人が期日に出頭して意見を述べ、証拠書類を出すことができます。代理人を立てることもできます。
監督処分をするときは必ず聴聞
・宅建業法は、監督処分をしようとするときは、処分の軽重にかかわらず聴聞を行わなければならないとしています(69条1項)。
国土交通大臣又は都道府県知事は、第六十五条又は第六十八条の規定による処分をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
・対象になるのは、業者に対する指示処分・業務停止処分と、宅建士に対する指示処分・事務禁止処分です。免許取消しや登録消除も、行政手続法により聴聞を経て行われます。
【補足】いちばん軽い指示処分であっても、弁明の機会ではなく聴聞です。ここが最も問われます。

聴聞の手続
・宅建業法が定める聴聞の特例は次のとおりです(69条2項)。
| 項目 | 内容 |
| 通知 | 期日の1週間前までに本人へ通知する |
| 公示 | 聴聞の期日と場所を公示する |
| 審理 | 公開により行う |
| 出頭しないとき | そのまま処分をすることができる |
聴聞がいらない場合
・例外として、所在がわからない業者の免許を取り消すときは聴聞を行いません(67条1項)。
・この場合は、免許権者が公告をし、公告の日から30日を経過しても申出がないときに免許を取り消すことができます。
【補足】相手の居場所が分からないのに聴聞の通知を届けることはできないため、公告で代えているわけです。
「公開」と「公告」を混同しない
・言葉が似ているので整理しておきましょう。
| 用語 | 場面 |
| 公開 | 聴聞の審理のやり方(傍聴できる) |
| 公告 | 業務停止処分・免許取消処分をしたことの周知(70条1項) |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 監督処分をするときは、あらかじめ聴聞を行う。 |
| イ | 軽い指示処分なら、弁明の機会で足りる。 |
| ウ | 聴聞の審理は、公開により行う。 |
| エ | 聴聞の通知は、期日の3日前までにすればよい。 |
| オ | 所在がわからない業者の免許取消しには、聴聞がいらない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。処分の軽重にかかわらず聴聞を行います(宅建業法69条1項)。
・免許や登録を土台にした処分は影響が大きいため、必ず言い分を聞く手続にそろえたものです。
・大臣が処分するときも知事が処分するときも同じです。
イ × 誤り
・・正しくは指示処分であっても聴聞が必要です(法69条1項)。
・行政手続法の原則では軽い処分は弁明の機会でよいのですが、宅建業法がこれを修正しています。
・「弁明の機会の付与で足りる」とする選択肢は誤りです。宅建業法の特例だと覚えましょう。
ウ ○ 正しい
・・そのとおりです。聴聞の期日における審理は公開で行います。
・宅建業の監督処分は取引の相手方の利益に関わるため、手続を見えるようにしている趣旨です。
・行政手続法の原則は非公開です。原則と例外が逆になっている点に注意しましょう。
エ × 誤り
・・正しくは期日の1週間前までに通知します。
・言い分をまとめ、証拠書類を集めるための時間を確保させる趣旨だからです。あわせて期日と場所が公示されます。
・「3日前」「前日まで」とする選択肢は誤りです。1週間前と押さえましょう。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。所在不明の業者の免許取消しでは聴聞を行いません(法67条1項)。
・居場所が分からない以上、聴聞の通知を届けようがないためです。
・この場合は公告をして、30日を経過しても申出がないときに取り消せます。
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