出題の重要度 ★★☆
「宅地建物取引士に対する監督処分」をわかりやすく解説

宅建士に対する監督処分とは?
・宅建士に対する監督処分には、指示処分・事務禁止処分・登録消除処分の3つがあります(宅建業法68条・68条の2)。
・処分をするのは都道府県知事で、国土交通大臣が宅建士を処分することはありません。
・宅建士は知事の登録を受けて宅建士証の交付を受けるため、監督するのも知事、という整理になっています。
指示処分
・宅建士が次のような場合に、必要な指示をすることができます。
- 他の事務所の専任の宅建士である旨の表示を業者に許し、実際に表示されたとき
- 他人に自己の名義の使用を許し、宅建士である旨の表示をされたとき
- 宅建士として行う事務に関し不正または著しく不当な行為をしたとき
【補足】指示処分は、登録をしている知事だけでなく、事務を行った地の知事もできます。

事務禁止処分
・指示処分の事由にあたるとき、または指示に従わないときは、1年以内の期間を定めて、宅建士としてすべき事務を行うことを禁止できます(68条2項・4項)。
・この処分も、登録をしている知事と事務を行った地の知事のどちらもできます。
登録消除処分
・次の場合には、知事は登録を消除しなければなりません(68条の2)。
| 事由 | 内容 |
| 欠格事由に該当した | 登録の基準に定める欠格事由にあたることとなったとき |
| 不正の手段による登録 | 不正の手段で登録を受けたとき |
| 不正の手段による士証 | 不正の手段で宅地建物取引士証の交付を受けたとき |
| 情状が特に重い・事務禁止違反 | 指示処分の事由にあたり情状が特に重いとき、事務禁止処分に違反したとき |
【補足】登録消除ができるのは登録をしている知事だけです。業者の免許取消しを免許権者しかできないのと同じ構造です。
処分を受けた後にすること
・事務禁止処分を受けたときは、速やかに宅地建物取引士証を、その交付を受けた知事に提出しなければなりません。
・登録が消除されたときは、士証を返納します。
・提出も返納も、怠ると10万円以下の過料に処せられることがあります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 宅建士への監督処分は、指示・事務禁止・登録消除の3つである。 |
| イ | 事務禁止処分の期間は、2年以内である。 |
| ウ | 登録の消除は、事務を行った地の知事もできる。 |
| エ | 事務禁止処分を受けたら、宅建士証を提出する。 |
| オ | 指示処分は、登録をしている知事しかできない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。宅建士に対する監督処分はこの3つです(宅建業法68条・68条の2)。
・業者に対する「指示・業務停止・免許取消し」と同じ並びになっていると考えると覚えやすくなります。
・「業務停止処分」は業者に対する処分です。宅建士に業務停止という処分はありません。
イ × 誤り
・・正しくは1年以内です(法68条2項)。
・業者に対する業務停止処分も1年以内なので、そろえて覚えておくと迷いません。
・「2年以内」「3年以内」と数字を入れ替える出題が定番です。宅建業法で1年以内とくれば、業務停止と事務禁止だと押さえておきましょう。
ウ × 誤り
・・正しくは登録をしている知事しかできません(法68条の2)。
・登録簿を管理しているのが登録をしている知事だからです。他県の知事が勝手に消すことはできません。
・指示処分と事務禁止処分は事務を行った地の知事もできます。消除だけが違うと押さえましょう。
エ ○ 正しい
・・そのとおりです。速やかに、交付を受けた知事に提出します。
・禁止の期間中に士証を使えないようにしておく必要があるためです。
・提出しないと10万円以下の過料に処せられることがあります。登録消除のときは「返納」です。
オ × 誤り
・・正しくは事務を行った地の知事もできます(法68条3項)。
・他県で不正を行った宅建士をその場で正せるようにしておく必要があるからです。
・登録をしている知事だけができるのは登録消除です。処分ごとに主体が違う点が狙われます。
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