「土地区画整理組合」をわかりやすく解説
土地区画整理組合とは?
・土地区画整理組合とは、宅地の所有者または借地権者が設立し、土地区画整理事業を施行する法人のこと。
・土地区画整理法第十四条では、土地区画整理組合について以下のように規定されています。
土地区画整理組合(以下「組合」という。)を設立しようとする者は、七人以上共同して、定款及び事業計画を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならない。この場合において、組合を設立しようとする者がその申請をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければならない。
土地区画整理組合の設立の認可
土地区画整理組合の設立の認可までの手続き
・土地区画整理組合の設立の認可とは、「認可を申請した土地区画整理組合が土地区画整理事業を行っていい」という認定です。
・土地区画整理組合は、事業計画と規準または規約を定めて都道府県知事に土地区画整理組合の設立の認可を申請する必要があります。
・土地区画整理組合の設立の認可の申請は基本的に以下の手順で行われます。
- 土地区画整理組合が事業計画、定款を策定する
- 未登記の借地権者が一ヶ月以内に市町村長に申告する
- 土地区画整理組合が所有者と借地権者それぞれ3分の2の同意、施行地区内の公共施設の管理者の承認を得る
- 土地区画整理組合が都道府県知事に土地区画整理組合の設立の認可を申請する
- 市町村長が事業計画を2週間公衆の縦覧に供する
【補足】宅地の所有者と借地権者それぞれ3分の2の者の土地の面積の合計も、総面積の3分の2以上である必要があります。
・基本的には、事業計画の策定後に土地区画整理の設立の認可を申請されますが、設立の認可後に事業計画を策定する場合もあります。
・2週間の縦覧期間が満了した日から2週間、宅地の利害関係者(所有者や借地権者の他、借家人など)は、都道府県知事に意見書を提出することができます。
土地区画整理組合の設立の認可以降
・土地区画整理組合は土地区画整理組合の設立の認可により成立し、認可以降は、施行地区内の所有者・借地権者(登記の有無は問わない)の全員が組合員となります。
・未登記の借地権者で一ヶ月以内に市町村長に申告しなかった者は、借地権がないものとみなされ、組合員とはなりません。
・土地区画整理組合の設立の認可が公告されて以降、土地区画整理組合は市町村長の認定を受けて、他人の占有する土地に立ち入って調査や測量を行うことができます。
換地計画の認可
・土地区画整理事業では、事業を行う前の宅地(従前の宅地)と事業で整備した換地を交換する換地処分が行われます。
・換地をどのように定めるかなどを具体的に定めたものが換地計画で、土地区画整理組合は換地計画の認可を都道府県知事に申請する必要があります。
・土地区画整理組合は、換地計画の認可を申請する前に、換地計画を2週間公衆の縦覧に供する必要があります。
・2週間の縦覧期間内に、宅地の利害関係者(所有者や借地権者の他、借家人など)は、土地区画整理組合に意見書を提出することができます。
組合員
・組合員には、土地区画整理組合の構成員をいい、自動的に組合員になった者と自ら希望して組合員になった者(参加組合員)がいます。
・組合員は土地区画整理組合の総会の会議に参加して、議決権を行使することができます。
・議決権を有する一方で組合員は、事業の経費にあてるためのお金や滞納した場合のお金などを土地区画整理組合に支払う必要があります。
支払うべきお金の種類 | 滞納した場合の過怠金 | |
参加組合員 | 負担金(宅地を取得するためのお金) | あり |
分担金(事業の経費に当てるためのお金) | ||
参加組合員以外の組合員 | 賦課金(事業の経費に当てるためのお金) |
土地区画整理組合の解散
・土地区画整理組合は、以下のいずれかが起きることにより解散します。
- 設立の認可の取り消し
- 総会の議決
- 定款で定めた解散事由の発生
- 事業の完成不能
- 合併または引継
・総会の議決、定款で定めた解散事由の発生、事業の完成不能の場合は、解散前に都道府県知事の許可が必要です。