出題の重要度 ★★★
「契約不適合責任」をわかりやすく解説

契約不適合責任とは?
・契約不適合責任とは、引き渡された物が種類・品質・数量について契約に適合しないとき、売主が負う責任です(民法562条〜)。
・買主は、あとで欠陥が見つかったときに、売主にいろいろな請求ができます。たとえば、買った中古住宅に引渡し後すぐ雨漏りが見つかったら、売主に修補や損害賠償を求められます。
買主がとれる4つの手段
・買主は、次の4つを求められます。
| 手段 | 内容 |
| 追完請求 | 修補・代替物・不足分の引渡しを求める(562条) |
| 代金減額請求 | 追完を催告しても直らなければ減額(563条) |
| 損害賠償請求 | 売主に帰責事由があれば賠償(564条) |
| 契約の解除 | 催告解除・無催告解除の要件で解除(564条) |

減額請求は原則催告してから
・代金減額請求は、原則相当の期間を定めて追完を催告し、それでも直らないときにできます(民法563条1項)。
・ただし、追完が不能なときや売主が明確に拒絶したときは、催告なしで減額請求できます(同2項)。
【補足】損害賠償には売主の帰責事由が必要ですが、追完請求・代金減額請求には帰責事由は不要です。
1年以内の通知が必要
・種類・品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に通知しないと、4つの手段を失います(民法566条)。
買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は…請求…及び契約の解除をすることができない。(民法566条)
【補足】売主が引渡しの時に不適合を知っていた・重過失で知らなかったときは、この期間制限は適用されません。数量不足には、この1年の制限はありません。
宅建業法の特約制限
・宅建業者が売主のときは、契約不適合責任の特約に制限があります(宅建業法40条)。
・「通知期間を引渡しから2年以上」とする特約以外で、民法より買主に不利な特約は無効です。
【補足】民法の原則(知った時から1年)と、宅建業法の特約制限(引渡しから2年以上)を区別しておきましょう。くわしくは契約不適合責任についての特約の制限(宅建業法)をご覧ください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 引き渡された物が契約に適合しないとき、買主は追完を請求できる。 |
| イ | 代金減額請求は、原則として追完の催告をしてからする。 |
| ウ | 契約不適合による損害賠償には、売主の帰責事由は不要である。 |
| エ | 種類・品質の不適合は、知った時から1年以内に通知しないと手段を失う。 |
| オ | 不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときも、買主は追完を請求できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・・買主は追完請求ができます(民法562条)。
・修補・代替物・不足分の引渡しを求められます。
・追完・減額・賠償・解除の4つが使えます。
イ ○ 正しい
・・原則追完を催告し、直らなければ減額請求します(民法563条)。
・追完が不能・明確な拒絶のときは催告不要です。
・まず「直して」、次に「安くして」の順です。
ウ × 誤り
・・損害賠償には売主の帰責事由が必要です(民法564条・415条)。
・追完請求・代金減額請求には帰責事由は不要です。
・手段によって帰責事由の要否が違います。
エ ○ 正しい
・・知った時から1年以内の通知が必要です(民法566条)。
・怠ると追完・減額・賠償・解除を失います。
・売主が悪意・重過失なら期間制限は適用されません。
オ × 誤り
・・買主の責めによる不適合では追完請求できません(民法562条2項)。
・自分に原因があるのに追完を求めるのは筋が通らないためです。
・「請求できる」は誤りです。
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