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「抵当権と賃借権の関係(民法)」とは?わかりやすく解説

「抵当権と賃借権の関係(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「抵当権と賃借権の関係」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
抵当権が設定された建物を借りている人はどうなるか、を扱います。先後関係と明渡猶予の2点に絞ります。

「抵当権と賃借権の関係」とは?わかりやすく解説の要点

先に登記した方が優先

・抵当権と賃借権のどちらが優先するかは、対抗要件を備えた順番で決まります。早い者勝ちです。

・賃借権が抵当権よりに対抗要件を備えていれば、賃借人は競売の買受人に賃借権を対抗でき、そのまま住み続けられます。

・逆に抵当権の方が先なら、賃借人は買受人に賃借権を対抗できません。

抵当権に対抗できる賃借権

・賃借人が対抗要件(賃借権の登記や建物の引渡し)を、抵当権の登記より先に備えていた場合は、買受人に対して賃借権を主張し、住み続けられます。

・つまり、いつ借りたかではなく、いつ対抗要件を備えたかを、抵当権の登記と比べることになります。

カエルさん
カエルさん
・建物の賃貸借は、引渡しを受けていれば対抗要件になります(借地借家法31条)。鍵を受け取って住み始めていれば足りる、というイメージです。

抵当権と賃借権の関係の図解

対抗できない賃借人の明渡猶予

・抵当権に対抗できない賃借人でも、すぐ追い出されるわけではありません。競売の買受けの時から6か月は明渡しが猶予されます(民法395条)。

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者…は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

・急に住まいを失うと生活に困るため、引っ越しの準備期間として6か月を与える趣旨です。あくまで猶予であって、賃借権が買受人に対抗できるようになるわけではありません。

抵当権者の同意の登記

・後から設定された賃借権でも、先順位の抵当権者すべてが同意し、その同意の登記があれば、抵当権者に対抗できます(民法387条)。

・一部の抵当権者が同意しただけでは足りず、全員の同意が必要な点に注意しましょう。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
抵当権の登記より先に対抗要件を備えた賃借人は、買受人に対抗できる。
抵当権の後に借りた賃借人は、買受人にそのまま賃借権を対抗できる。
抵当権に対抗できない賃借人は、競売後すぐ明け渡さねばならない。
明渡しが猶予されるのは、競売の買受けの時から6か月だ。
抵当権者全員が同意して登記すれば、後の賃借権も対抗できる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・そのとおり。抵当権の登記より先に対抗要件を備えた賃借権は、競売の買受人に対抗して住み続けられます。
・優劣は登記の先後で決まり、賃借権が先なら買受人が賃貸人の地位を引き継ぎます。
・建物賃貸借の対抗要件は、登記のほか建物の引渡しでも足ります(借地借家法31条)。

イ × 誤り

・対抗できません。抵当権より後に対抗要件を備えた賃借権は買受人に対抗できず、明け渡すのが原則です。
・登記の先後で抵当権が優先するためで、賃借権がそのまま存続するわけではありません。
・ただし建物賃借人には6か月の明渡猶予があります(395条)。

ウ × 誤り

・すぐにではありません。買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、建物を引き渡す必要がありません(395条)。
・急な立ち退きで生活や営業が破綻するのを防ぐための猶予です。
・これは明渡しを一時猶予するだけで、賃借権が買受人に対抗できるようになるわけではありません。

エ ○ 正しい

・そのとおり。明渡猶予の期間は買受けの時から6か月です(395条)。
・起算点は「競売の申立て時」でも「代金納付から1年」でもなく、買受けの時から6か月です。
・この6か月という数字と起算点がそのまま問われるので、正確に覚えましょう。

オ ○ 正しい

・そのとおり。登記した賃借権は、先順位の抵当権者全員の同意とその同意の登記があれば買受人に対抗できます(387条)。
・一部の抵当権者の同意では足りず、賃借権より先に登記した抵当権者すべての同意が必要です。
・6か月猶予(395条)とは別の、賃借権そのものを対抗させる制度です。

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