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「抵当権の効力が及ぶ範囲(民法)」とは?わかりやすく解説

「抵当権の効力が及ぶ範囲(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★☆

「抵当権の効力が及ぶ範囲」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
抵当権の効力がどこまで及ぶのかを扱います。付加一体物・果実・物上代位の3つに絞って押さえましょう。

「抵当権の効力が及ぶ範囲」とは?わかりやすく解説の要点

付加一体物に及ぶ

・抵当権は、目的の不動産に付加して一体となっている物にも及びます(民法370条)。雨戸や立木などが典型です。

抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(抵当不動産)に付加して一体となっている物に及ぶ。

・不動産の一部のように結びついた物には、抵当権を設定するときに特に約束しなくても、当然に効力が及ぶということです。

カエルさん
カエルさん
・設定のときにすでにあった従物(畳や建具など)にも及ぶ、と考えておきましょう。

果実に及ぶのは不履行の後

・抵当権は、債務の不履行があった後に生じた果実(賃料など)に及びます(民法371条)。

抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

・抵当権は占有を移さない担保なので、きちんと返済されている間は、設定者が自由に賃料を受け取れます。

・返済が滞って不履行になって初めて、その後の賃料などに抵当権が及ぶ、という順序です。

抵当権の効力が及ぶ範囲の図解

物上代位

・目的物が売却・賃貸・滅失・損傷したときは、その代金・賃料・保険金などにも抵当権を及ぼせます(民法372条・304条)。これを物上代位といいます。

・担保にした物が形を変えて金銭になったときも、その金銭を追いかけられる、という仕組みです。

・ただし、その払渡しや引渡しの前に差押えをしなければなりません。払われた後では行使できない点に注意します。

抵当地の上の建物には及ばない

・土地に抵当権を設定しても、その土地の上の建物には及びません。土地と建物は別々の不動産だからです。

・付加一体物には及びますが、独立した不動産である建物は別扱いになります。

【補足】建物を担保にしたいときは、建物にも別に抵当権を設定します。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
抵当権は、目的物に付加して一体となった物にも及ぶ。
土地の抵当権は、その土地の上の建物にも当然に及ぶ。
果実に抵当権が及ぶのは、債務の不履行があった後だ。
賃料に物上代位するには、払渡しの前に差し押さえる。
建物が焼けても、火災保険金には抵当権は及ばない。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・そのとおり。抵当権は付加一体物に及びます(370条)。雨戸やサッシ、取り外しの難しい庭石などが典型です。
・設定時に存在した従物(畳や建具など)にも及ぶ、と扱われています。
・抵当権を設定した一体の物すべてに効力が広がる、とイメージしましょう。

イ × 誤り

・及びません。土地と建物は別個の不動産なので、土地に設定した抵当権は建物には及びません(370条かっこ書)。
・建物も担保にしたいなら、建物について別に抵当権を設定する必要があります。
・「土地と建物は別々」は民法の基本。当然には及ばない点が繰り返し問われます。

ウ ○ 正しい

・そのとおり。抵当権が果実に及ぶのは、被担保債権に不履行があった後に限られます(371条)。
・不履行の前は、設定者が賃料や収穫物などの果実を自由に収取できます。
・抵当権は占有を移さない担保なので、不履行までは設定者の収益を妨げないわけです。

エ ○ 正しい

・そのとおり。物上代位は、目的物から生じる金銭が払い渡される前に差押えをする必要があります(304条・372条)。
・差押えを要するのは、誰に払うべきかを明確にして第三者を保護するためです。
・賃料が設定者に支払われた後では、もう物上代位はできません。

オ × 誤り

・及びます。目的物の滅失・損傷によって受ける保険金請求権にも物上代位できます(372条・304条)。
・保険金は目的物の価値が姿を変えたものだと考えると理解しやすいです。
・ただし、保険金が払い渡される前に差押えをすることが必要です。

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