出題の重要度 ★★★
「宅建業者に対する監督処分」をわかりやすく解説

宅建業者に対する監督処分とは?
・宅建業者に対する監督処分には、指示処分・業務停止処分・免許取消処分の3つがあります。
| 処分 | 内容 | 処分できる者 |
| 指示処分 | 必要な指示をする | 免許権者又は業務地の知事 |
| 業務停止処分 | 1年以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命ずる | 免許権者又は業務地の知事 |
| 免許取消処分 | 免許を取り消す | 免許権者のみ |
指示処分と業務停止処分
・免許権者だけでなく、業務を行った先の都道府県知事も、その区域内の業務に関して指示処分と業務停止処分をすることができます(宅建業法65条3項・4項)。
・たとえば甲県知事免許の業者が乙県で違反をした場合、乙県知事は指示処分や業務停止処分をすることができます。しかし免許を取り消すことはできません。
【補足】業務停止の期間は1年以内です。業務停止処分に違反して業務を営むと、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科となります。

免許取消処分
・次に該当するときは、免許権者は免許を取り消さなければなりません(必要的取消し・宅建業法66条1項)。
- 免許の欠格事由に該当するに至ったとき
- 免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、又は引き続いて1年以上事業を休止したとき
- 廃業等の届出がなくて、その事実が判明したとき
- 不正の手段により免許を受けたとき
- 業務停止処分事由に該当し情状が特に重いとき、又は業務停止処分に違反したとき
所在がわからないときの取消し
・免許権者は、宅建業者の事務所の所在地や業者本人の所在が確知できないときは、官報又は都道府県の公報でその事実を公告し、公告の日から30日を経過しても申出がないときは、免許を取り消すことができます(宅建業法67条1項)。
【補足】この場合は聴聞が不要です(同条2項)。本人が見つからない以上、意見を聴きようがないためです。
聴聞と公告
・処分をするときの手続きも問われます。
| 項目 | 内容 |
| 聴聞 | 指示・業務停止・免許取消のいずれも、あらかじめ聴聞を行う(所在不明による取消しを除く) |
| 公告 | 業務停止処分と免許取消処分は公告が必要。指示処分は不要 |
| 通知・報告 | 業務地の知事が処分をしたときは、免許権者に通知又は報告する |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 業務停止処分は、1年以内の期間を定めてする。 |
| イ | 業務地の知事は、他県知事免許の業者の免許を取り消せる。 |
| ウ | 指示処分は、免許権者しかできない。 |
| エ | 不正の手段で免許を受けたときは、必ず免許が取り消される。 |
| オ | 免許の条件に違反すると、必ず免許が取り消される。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。業務停止処分は1年以内の期間を定めて命じられます(宅建業法65条2項)。
・営業を止める重い処分なので、期間に上限が置かれています。
・「2年以内」に置き換える引っかけが出ます。業務停止は1年以内と覚えましょう。
イ × 誤り
・・誤りです。免許を取り消せるのは免許権者だけです(宅建業法66条1項)。
・免許を与えた者が取り上げるという筋道になっているためです。
・業務地の知事は指示処分と業務停止処分まではできます。どこまでできるかを線引きしましょう。
ウ × 誤り
・・誤りです。正しくは、業務地の都道府県知事も指示処分をすることができます(宅建業法65条3項)。
・違反が起きた土地の知事が動けないと、取締りが後手に回ってしまうからです。
・業務停止処分も同じく業務地の知事ができます。免許取消しだけが別扱いです。
エ ○ 正しい
・・そのとおりです。不正の手段により免許を受けたときは、免許権者は免許を取り消さなければなりません(宅建業法66条1項8号)。
・そもそも与えるべきでなかった免許なので、取り消す以外の選択肢がないからです。
・「取り消すことができる」ではなく「取り消さなければならない」です。語尾に注意しましょう。
オ × 誤り
・・誤りです。条件違反の場合は「免許を取り消すことができる」にとどまります(宅建業法66条2項)。
・条件の内容や違反の程度はさまざまなので、免許権者の判断に委ねられています。
・必要的取消しと任意的取消しの振り分けが狙われます。条件違反は任意的と覚えましょう。
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