出題の重要度 ★★★
「免許の欠格事由」をわかりやすく解説
免許の欠格事由とは?
・免許の欠格事由とは、宅地建物取引業の免許を受けることができない事由のこと。
・宅地建物取引業法第五条第一項に列挙されており、これに該当すると免許をしてはならないとされています。

刑罰による欠格
| 刑 | 欠格となるか |
| 拘禁刑以上の刑(拘禁刑・死刑) | 罪名を問わず欠格。刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年 |
| 罰金の刑 | 一定の罪に限り欠格。同じく5年 |
| 科料・過料 | 欠格とならない |
・罰金で欠格となるのは、次の罪に限られます。
| 罰金で欠格となる罪 |
| ・宅地建物取引業法違反 |
| ・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反 |
| ・刑法の傷害罪、現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、背任罪 |
| ・暴力行為等処罰に関する法律の罪 |
【補足】たとえば過失運転致傷罪で罰金刑に処せられても欠格事由にはあたりません。一方、同じ罪でも拘禁刑に処せられれば欠格となります。
【補足】刑の執行猶予が付された場合、猶予期間が満了すれば刑の言渡しが効力を失うため、その日から直ちに免許を受けられます。5年を待つ必要はありません。

免許取消しによる欠格
・次の事由により免許を取り消された者は、取消しの日から5年を経過しないと免許を受けられません。
| 免許取消しの事由 |
| ・不正の手段により免許を受けたとき |
| ・業務停止処分事由に該当し情状が特に重いとき |
| ・業務停止処分に違反したとき |
【補足】この3つ以外の理由(事務所の要件を欠いた等)で免許を取り消された場合は、5年を待たずに再び免許を受けることができます。
期間に関係なく欠格となるもの
| 事由 | 解消の方法 |
| 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 | 復権を得れば直ちに免許を受けられます(5年待つ必要はありません) |
| 暴力団員等 | 暴力団員でなくなった日から5年 |
| 心身の故障により宅建業を適正に営むことができない者 | ― |
| 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人が欠格事由に該当する場合 | 法定代理人の欠格の解消 |
役員・使用人による欠格
・法人の役員又は政令で定める使用人が欠格事由に該当すると、法人自体が免許を受けられません。
【補足】ここでいう役員には、相談役・顧問など名称を問わず、法人に対し役員と同等以上の支配力を有すると認められる者も含まれます。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 拘禁刑を受けた場合、罪の種類を問わず5年間免許を受けられない。 |
| イ | 罰金刑を受けた場合、罪の種類を問わず5年間免許を受けられない。 |
| ウ | 破産した人は、復権すればすぐに免許を受けられる。 |
| エ | 執行猶予の期間が満了すれば、すぐに免許を受けられる。 |
| オ | 法人の役員が欠格事由にあたると、その法人も免許を受けられない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・拘禁刑以上の刑に処せられた場合は、罪名を問わず、刑の執行を終わった日などから5年を経過しないと免許を受けられません。
・過失による交通事故でも、拘禁刑になれば欠格です。宅建業と関係のある罪かどうかは問われません。
・控訴・上告中でまだ刑が確定していない段階では欠格になりません。「刑に処せられ」=確定した時点、と押さえましょう。
イ × 誤り
・罰金で欠格になる罪は限られており、宅建業法違反、暴力団対策法違反のほか、傷害・暴行・脅迫・背任などの罪に限られます。「罪の種類を問わず」としている点が誤りです。
・たとえば過失運転致傷罪で罰金になっても、免許を受けられなくなることはありません。
・拘禁刑以上は罪名を問わず、罰金は罪名が限られる。この差が繰り返し問われます。
ウ ○ 正しい
・欠格になるのは「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」なので、復権すればその時点で欠格ではなくなります。5年を待つ必要はありません。
・破産は本人の資力の問題で、免許制度を悪用したわけではないため、状態が解消すればすぐ回復するという扱いです。
・「復権の日から5年」としている選択肢は誤りです。ここは頻出の引っかけです。
エ ○ 正しい
・執行猶予の期間が満了すると刑の言渡し自体が効力を失うため、その翌日から免許を受けられます。5年の経過は不要です。
・これに対し、実際に服役した場合は刑の執行を終わった日から5年が必要です。
・執行猶予の期間中はまだ欠格である点に注意しましょう。「猶予されたから最初から欠格でない」わけではありません。
オ ○ 正しい
・法人は、その役員または政令で定める使用人に欠格事由に該当する者がいると、法人自体が免許を受けられません。
・役員には取締役などのほか、相談役・顧問など名称を問わず、これらと同等以上の支配力を持つと認められる者も含まれます。
・非常勤の役員も対象です。一方、役員でも使用人でもない一般の従業員が欠格でも、法人は欠格になりません。
この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。
