出題の重要度 ★★★
「宅地建物取引業者の免許」をわかりやすく解説
宅地建物取引業者の免許とは?
・宅地建物取引業者の免許とは、宅地建物取引業を営もうとする者が受けなければならない、国土交通大臣又は都道府県知事の免許のこと。
・宅地建物取引業法第三条第一項では、以下のように規定されています。
宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。

大臣免許と知事免許
| 事務所の設置状況 | 免許権者 |
| 2以上の都道府県の区域内に事務所を設置 | 国土交通大臣 |
| 1つの都道府県の区域内にのみ事務所を設置 | その事務所の所在地を管轄する都道府県知事 |
【補足】知事免許であっても、営業できる範囲は全国に及びます。甲県知事免許の業者が乙県にある物件を取引することも、乙県で取引を行うこともできます。

免許の有効期間と更新
| 項目 | 内容 |
| 有効期間 | 5年 |
| 更新 | 有効期間の満了後も引き続き営もうとする者は、免許の更新を受けなければなりません |
| 申請中に期間が満了した場合 | 処分がなされるまでの間、従前の免許はなお効力を有します |
| 更新後の起算日 | 従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算します |
【補足】更新後の有効期間は「処分がなされた日」からではなく「従前の免許の満了日の翌日」から起算されます。審査に時間がかかっても、その分だけ有効期間が延びるわけではありません。
無免許事業等の禁止
・宅地建物取引業法第十二条では、以下のように規定されています。
| 禁止される行為 |
| ・免許を受けない者が宅地建物取引業を営むこと |
| ・免許を受けない者が宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもって広告をすること |
【補足】免許を受けていない者は、実際に営業していなくても「宅建業を営む」という表示や広告をすること自体が禁止されています。
事務所とは?
| 区分 | 内容 |
| 本店(主たる事務所) | 常に事務所にあたります。本店で宅建業を営んでいなくても、支店で営んでいれば本店も事務所として扱われます |
| 支店(従たる事務所) | 宅建業を営むものだけが事務所にあたります |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 2つの都道府県に事務所を置くときは、大臣免許が必要である。 |
| イ | 知事免許の業者は、他県の物件を取引できない。 |
| ウ | 免許の有効期間は5年である。 |
| エ | 更新の申請中に期間が切れると、営業できなくなる。 |
| オ | 本店で宅建業をしていなければ、本店は事務所にあたらない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | × |
ア ○ 正しい
・2以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣免許、1つの都道府県内にのみ設置する場合はその知事の免許です。
・基準は事務所の所在地であって、取引する物件の所在地や取引の規模ではありません。
・同じ県内にいくつ事務所を置いても知事免許のままです。事務所の数ではなく、またがる都道府県の数で決まります。
イ × 誤り
・知事免許でも全国の物件を扱えます。営業できる区域が免許の種類で決まるわけではありません。
・免許の区別は、その業者を監督する行政庁を決めるためのものにすぎないからです。
・「知事免許はその都道府県内でしか営業できない」は典型的な誤りです。他県に事務所を置くときだけ免許換えが必要になります。
ウ ○ 正しい
・免許の有効期間は5年です。引き続き営業するには更新を受けなければなりません。
・更新の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までに行います。
・宅地建物取引士証も5年ですが、宅建士の登録には有効期間がありません。3つを混同しないようにしましょう。
エ × 誤り
・更新の申請をしたのに満了日までに処分がされないときは、従前の免許が処分がされるまで効力を持ちます。営業を止める必要はありません。
・行政側の事務の遅れによって業者が不利益を受けるのは不合理だからです。
・その後に更新されると、新しい有効期間は従前の有効期間の満了日の翌日から起算します。空白期間も上乗せも生じません。
オ × 誤り
・本店は常に事務所にあたります。本店自体で宅建業を営んでいなくても、支店で営んでいれば本店も事務所として扱われます。
・本店は支店を統括する立場にあり、宅建業の業務にも関与していると考えられるためです。
・逆に、支店は宅建業を営んでいなければ事務所にあたりません。営業保証金の額にも影響するので、扱いの違いを押さえましょう。
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