出題の重要度 ★★★
「未成年者」をわかりやすく解説

未成年者とは?
・未成年者とは、18歳未満の者のこと。民法4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。
年齢十八歳をもって、成年とする。
・未成年者は、判断能力が十分でない者を保護するための制限行為能力者の1つです。
原則は法定代理人の同意が必要
・未成年者が法律行為をするには、法定代理人の同意を得なければなりません(民法5条1項)。
・同意を得ないでした行為は、取り消すことができます(同条2項)。
・法定代理人は、通常は親権者であり、親権者がいないときは未成年後見人です。
【補足】取り消すことができるのは、契約が「無効」だという意味ではありません。取り消すまでは有効で、取り消して初めて初めから無効であったものとみなされます(民法121条)。

同意がなくても単独でできる行為
・次の行為は、法定代理人の同意がなくても単独ですることができます。
| 単独でできる行為 | 根拠 |
| 単に権利を得、又は義務を免れる法律行為(負担のない贈与を受けるなど) | 5条1項ただし書 |
| 目的を定めて処分を許された財産を、その目的の範囲内で処分すること | 5条3項 |
| 目的を定めないで処分を許された財産を処分すること(こづかいなど) | 5条3項 |
| 営業を許された未成年者が、その営業に関してする行為 | 6条1項 |
法定代理人の権限
・法定代理人には、次の権限があります。
| 権限 | 内容 |
| 同意権 | 未成年者がする法律行為に同意する |
| 代理権 | 未成年者に代わって法律行為をする(民法824条・859条) |
| 取消権 | 同意を得ないでした行為を取り消す |
| 追認権 | 取り消すことができる行為を有効に確定させる |
【補足】4つの権限がそろっているのは未成年者の法定代理人と成年後見人(同意権を除く)だけです。保佐人・補助人の代理権は、家庭裁判所の審判があるときに限られます。
取消しと詐術
・取り消すことができる行為は、追認することができる時から5年間、又は行為の時から20年を経過すると取り消せなくなります(民法126条)。
・また、未成年者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません(民法21条)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 成年となるのは18歳である。 |
| イ | 未成年者が同意を得ずにした契約は、取り消すことができる。 |
| ウ | 負担のない贈与を受けるにも、法定代理人の同意が必要である。 |
| エ | 営業を許された未成年者は、どんな行為も単独でできる。 |
| オ | 未成年者が詐術を用いたときは、取り消すことができない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | ○ | × | × | ○ |
ア ○ 正しい
・民法4条は年齢18歳をもって成年とすると定めています。
・2022年4月に20歳から18歳へ引き下げられました。18歳になれば単独で契約ができます。
・古い教材では20歳と書かれていることがあります。数字が入れ替えられた選択肢に注意しましょう。
イ ○ 正しい
・法定代理人の同意を得ないでした行為は取り消すことができます(民法5条2項)。
・判断能力が十分でない未成年者を、不利な契約から守るための仕組みです。
・「無効になる」ではなく「取り消すことができる」です。取り消すまでは有効である点に注意しましょう。
ウ × 誤り
・同意は不要です。単に権利を得る行為にあたるからです(民法5条1項ただし書)。
・不利益がない行為まで制限する必要はない、という趣旨です。
・正しくは「単に権利を得、又は義務を免れる行為は単独でできる」です。負担付贈与になると話が変わります。
エ × 誤り
・単独でできるのはその営業に関する行為だけです(民法6条1項)。
・条文も「その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する」と範囲を限っています。
・正しくは「営業に関する行為に限り単独でできる」です。「どんな行為も」と広げた選択肢は誤りです。
オ ○ 正しい
・詐術を用いたときは取り消すことができません(民法21条)。
・だまされた相手方を保護する必要があり、うそをついた本人を守る理由がないためです。
・単に年齢を黙っていただけでは詐術になりません。積極的にだます言動が必要だと考えられています。
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