出題の重要度 ★★★
「8種制限」をわかりやすく解説
8種制限とは?
・8種制限とは、宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が宅地建物取引業者でない場合にだけ適用される8つの規制のこと。

8種制限が適用される場面
| 要件 |
| ① 宅建業者が自ら売主となること |
| ② 買主が宅建業者でないこと |
| 取引の形 | 8種制限 |
| 業者(売主) → 一般の買主 | 適用される |
| 業者(売主) → 業者(買主) | 適用されない |
| 業者が媒介・代理をする場合 | 適用されない |
| 一般の売主 → 業者(買主) | 適用されない |

8種制限の一覧
| 制限 | 内容 |
| ① クーリング・オフ🔗 | 事務所等以外で買受けの申込みをした買主は、申込みの撤回等ができる |
| ② 自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限🔗 | 他人物売買・未完成物件の売買が原則として禁止される |
| ③ 損害賠償額の予定等の制限 | 損害賠償の予定額と違約金の合算額は代金の2割まで |
| ④ 手付の額の制限等 | 手付は代金の2割まで。手付はすべて解約手付とみなされる |
| ⑤ 手付金等の保全措置🔗 | 未完成物件は5%、完成物件は10%を超えるなら保全措置が必要 |
| ⑥ 契約不適合責任についての特約の制限🔗 | 通知期間を引渡しの日から2年以上とする場合を除き、民法より買主に不利な特約は無効 |
| ⑦ 割賦販売契約の解除等の制限 | 30日以上の相当の期間を定めて書面で催告しなければ解除等ができない |
| ⑧ 所有権留保等の禁止 | 引渡しまで(引渡しまでに代金の10分の3を超える支払を受けていないときは、10分の3を超える支払を受けるまで)に登記その他の義務を履行しなければならない |
【補足】8種制限に違反する特約は、買主に不利なものである限り無効となります。買主に有利な特約であれば有効です。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 8種制限は、業者が媒介をするときにも適用される。 |
| イ | 買主に有利な特約なら、8種制限に反していても有効である。 |
| ウ | 手付は、代金の2割まで受け取れる。 |
| エ | 損害賠償の予定額と違約金の合計は、代金の3割まで定められる。 |
| オ | 割賦販売の契約を解除するには、30日以上の期間を定めて書面で催告する。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | ○ | × | ○ |
ア × 誤り
・8種制限が適用されるのは業者が自ら売主となる場合だけで、媒介や代理をしているにすぎない業者には適用されません。
・8種制限は、プロである業者が素人の買主と直接取引するときの力の差を埋めるための上乗せ規制です。媒介の場合、売主は一般の人であることが多く、業者を売主として縛る意味がないからです。
・適用の要件は①業者が自ら売主 ②買主が業者でないの2つ。買主も業者である業者間取引では適用されません。この2つを問題文で必ず確認する癖をつけましょう。
イ ○ 正しい
・8種制限で無効になるのは買主に不利な特約であって、買主に有利な特約はそのまま有効です。
・そもそも8種制限は買主を保護するための規定なので、法律の基準よりさらに買主を手厚く守る合意まで禁止する理由がないからです。
・たとえばクーリング・オフの期間を10日とする特約は、8日より長く買主に有利なので有効です。逆に5日とする特約は買主に不利なので無効になります。
ウ ○ 正しい
・業者が自ら売主となる売買では、手付として受領できる額は代金の2割(10分の2)までです。
・手付が高額になると、買主が手付を放棄して解除しようとしても損失が大きすぎて事実上解除できなくなるため、上限が設けられています。
・2割ちょうどは受け取れます。制限を超えるのは「2割を超える額」なので、「2割は受け取れない」と書かれていたら誤りです。
エ × 誤り
・損害賠償の予定額と違約金は、合算した額が代金の2割(10分の2)を超える定めをしてはならず、3割まで定めることはできません。
・買主が契約を守れなかったときに、業者が過大な金額を取り立てることを防ぐための規定です。
・「それぞれ2割まで」ではなく合算して2割までである点が引っかけの定番。また、2割を超えて定めても契約全体が無効になるのではなく、2割を超える部分だけが無効になります。
オ ○ 正しい
・割賦販売で賦払金の支払が遅れた場合、業者は30日以上の相当の期間を定めて書面で催告し、その期間内に支払がないときでなければ、契約の解除や残代金の一括請求ができません。
・分割払いで買っている人が1回滞納しただけで家を失うのは酷なので、立て直すための猶予を与えているわけです。
・「口頭で催告した」「20日の期間を定めた」といった記述は誤りになります。これに反する特約も無効です。
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