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「手付金等の保全措置(宅建業法)」とは?わかりやすく解説

「手付金等の保全措置(宅建業法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「手付金等の保全措置」をわかりやすく解説

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手付金等の保全措置とは?

手付金等の保全措置とは、宅建業者が自ら売主となる売買において、買主から手付金等を受領する前に講じなければならない措置のこと。

・業者が倒産しても買主が支払ったお金が返ってくるようにするための制度です。

カエルさん
カエルさん
・「手付金等」とは、契約締結の日以後、物件の引渡し前に支払われる、代金に充当される金銭のことです。名目が手付金でも内金でも構いません。

「手付金等の保全措置(宅建業法)」とは?わかりやすく解説の要点

保全措置が不要となる場合

物件 保全措置が不要となる額
未完成物件(工事完了前) 受領しようとする額が代金の5%以下 かつ 1,000万円以下
完成物件(工事完了後) 受領しようとする額が代金の10%以下 かつ 1,000万円以下

 

カエルさん
カエルさん
・「未完成は5%、完成は10%」。未完成のほうが危険なので、基準が厳しくなっています。どちらも1,000万円という上限がつきます。

【補足】「かつ」なので、両方を満たすときだけ保全措置が不要です。代金5,000万円の完成物件で600万円を受領する場合、10%(500万円)を超えるため保全措置が必要になります。

・また、買主への所有権移転の登記がされたとき、又は買主が所有権の登記をしたときも保全措置は不要です。

手付金等の保全措置が不要となる額を未完成物件と完成物件で比較した図

保全措置の方法

方法 未完成物件 完成物件
保証委託契約(銀行等による連帯保証)
保証保険契約(保険事業者による保証保険)
手付金等寄託契約(指定保管機関による保管) ×

 

カエルさん
カエルさん
・指定保管機関による保管は、完成物件でしか使えません。未完成物件では使えない点が問われます。

手付の額の制限

・宅建業者が自ら売主となるときは、代金の10分の2を超える手付を受領できません。受け取った手付は性質を問わず解約手付となり、買主は放棄、売主は倍額の現実の提供で解除できます(相手方の履行着手後は不可)。

・くわしくは「手付の額の制限」とは?わかりやすく解説をご覧ください。

損害賠償額の予定等の制限

・宅建業者が自ら売主となるときは、損害賠償額の予定と違約金を合算した額が代金の10分の2を超える定めをしてはなりません。超えた場合は超える部分だけが無効になります。

・くわしくは「損害賠償額の予定等の制限」とは?わかりやすく解説をご覧ください。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
未完成物件では、手付金等が代金の5%以下かつ1,000万円以下なら保全措置がいらない。
完成物件では、代金の5%を超えると保全措置が必要である。
未完成物件でも、指定保管機関に保管してもらう方法が使える。
業者が自ら売主のとき、手付は代金の2割までしか受け取れない。
損害賠償の予定額を代金の3割と定めると、契約全体が無効になる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア ○ 正しい

・未完成物件(工事完了前)では、受領しようとする手付金等が代金の5%以下で、かつ1,000万円以下であれば保全措置は不要です。
・保全措置は、業者が倒産しても買主のお金が戻るようにする制度なので、金額が小さいうちは免除されています。工事が完了していない物件は物件そのものが手元に残らず危険が大きいため、完成物件より基準が厳しくなっています。
・「5%以下」だけでなく「1,000万円以下」も同時に満たす必要があります。代金3億円の5%は1,500万円ですが、1,000万円を超えるので保全措置が必要です。

イ × 誤り

・完成物件(工事完了後)の基準は5%ではなく代金の10%以下かつ1,000万円以下で、これを超えるときに保全措置が必要になります。
・完成している物件は買主が現物を確認でき、引渡しも受けやすいので、未完成物件より緩やかな基準でよいとされています。
未完成は5%、完成は10%。数字を入れ替えた出題が最も多いので、「未完成のほうが危ないから厳しい(=少額で保全が必要)」と結びつけて覚えましょう。

ウ × 誤り

・指定保管機関に保管してもらう方法(手付金等寄託契約)が使えるのは完成物件だけで、未完成物件では使えません。
・未完成物件で使えるのは保証委託契約(銀行等の連帯保証)と保証保険契約(保険事業者の保証保険)の2つです。
・「未完成は2つ、完成は3つ」と数で覚えると整理しやすくなります。未完成物件で指定保管機関を挙げる記述は誤りだと即断できるようにしておきましょう。

エ ○ 正しい

・業者が自ら売主となる売買では、手付として受領できるのは代金の2割(10分の2)までです。
・手付を高額にすると、買主が解除したいときに手付を放棄する負担が大きくなり、事実上解除できなくなってしまうためです。この制限も8種制限の一つで、買主が業者でない場合にだけ適用されます。
・受け取った手付は、名目が何であっても解約手付として扱われ、相手方が履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、業者は倍額を現実に提供して解除できます。

オ × 誤り

・2割を超える定めをしても契約全体が無効になるわけではなく、2割を超える部分だけが無効となり、2割までの部分は有効に残ります。
・買主を守るための規定なので、契約そのものを消してしまうと、かえって買主が困ってしまうからです。3割と定めた場合は2割の限度で有効になります。
・上限の2割は損害賠償の予定額と違約金を合算した額で判断します。「それぞれ2割まで」ではありません。手付の2割制限とは別の規定である点も区別しておきましょう。

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