出題の重要度 ★★☆
「特定盛土等規制区域」をわかりやすく解説
特定盛土等規制区域とは?
・特定盛土等規制区域とは、宅地造成等工事規制区域以外の土地の区域であって、特定盛土等又は土石の堆積が行われた場合に、居住者等の生命又は身体に危害を生ずるおそれが特に大きいと認められる区域のこと。
・盛土規制法第二十六条第一項では、以下のように規定されています。
都道府県知事は、基本方針に基づき、かつ、基礎調査の結果を踏まえ、宅地造成等工事規制区域以外の土地の区域であつて、土地の傾斜度、渓流の位置その他の自然的条件及び周辺地域における土地利用の状況その他の社会的条件からみて、当該区域内の土地において特定盛土等又は土石の堆積が行われた場合には、これに伴う災害により市街地等区域その他の区域の居住者その他の者((略)「居住者等」という。)の生命又は身体に危害を生ずるおそれが特に大きいと認められる区域を、特定盛土等規制区域として指定することができる。

宅地造成等工事規制区域との違い
| 項目 | 宅地造成等工事規制区域 | 特定盛土等規制区域 |
| 対象となる区域 | 市街地等区域で、宅地造成等に伴い災害が生ずるおそれが大きいもの | 宅地造成等工事規制区域以外の区域で、居住者等の生命・身体に危害を生ずるおそれが特に大きいもの |
| 規制の対象となる行為 | 宅地造成・特定盛土等・土石の堆積(宅地造成等) | 特定盛土等・土石の堆積 ※宅地造成は含まれません |
| 指定する人 | 都道府県知事 | 都道府県知事 |
| 事前の手続き | 関係市町村長の意見を聴く | 関係市町村長の意見を聴く |
| 効力の発生 | 公示によって効力を生ずる | 公示によって効力を生ずる |

届出と許可
・特定盛土等規制区域内では、規模に応じて届出と許可が使い分けられます。
| 規模 | 必要な手続き | 時期 |
| 政令で定める規模未満の特定盛土等・土石の堆積 | 都道府県知事への届出 | 工事に着手する日の30日前まで |
| 大規模な崖崩れ又は土砂の流出を生じさせるおそれが大きいものとして政令で定める規模以上の特定盛土等・土石の堆積 | 都道府県知事の許可 | 工事に着手する前 |
【補足】許可を受けた者は、その工事について届出をする必要はありません。
許可の基準
・許可の基準は、宅地造成等工事規制区域内の工事の許可と同じ内容です。
- 工事の計画が技術的基準に適合するものであること
- 工事主に必要な資力及び信用があること
- 工事施行者に必要な能力があること
- 土地について権利を有する者の全ての同意を得ていること
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 特定盛土等規制区域は、宅地造成等工事規制区域の外に指定する。 |
| イ | 特定盛土等規制区域では、宅地造成も規制される。 |
| ウ | 小規模なものは、工事に着手する30日前までに届け出る。 |
| エ | 大規模なものは、届出ではなく許可が必要である。 |
| オ | 許可を受けた場合でも、別に届出が必要である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | ○ | × |
ア ○ 正しい
・条文が宅地造成等工事規制区域以外の土地の区域と定めているため、両区域が重なることはありません。
・宅地造成等工事規制区域は市街地等区域が対象、特定盛土等規制区域は市街地から離れた山間部などが対象で、守備範囲を分け合っています。
・「両区域は重ねて指定できる」という出題は誤りです。造成宅地防災区域も宅地造成等工事規制区域内には指定できません。
イ × 誤り
・この区域で規制されるのは特定盛土等と土石の堆積の2つで、宅地造成は含まれません。
・区域の名前が「特定盛土等」規制区域であるとおり、宅地にするための造成にまでは手を広げていないのです。
・3つすべてが対象になるのは宅地造成等工事規制区域のほう。「等」の有無で見分けましょう。
ウ ○ 正しい
・許可が必要な規模に達しない特定盛土等・土石の堆積は、工事に着手する日の30日前までに工事の計画を知事へ届け出ます。
・知事は届出を受理した日から30日以内に限り、計画の変更その他必要な措置を勧告できます。審査の時間を確保するための30日です。
・宅地造成等工事規制区域の「21日以内」「14日前まで」の届出と数字が紛らわしいので、区域とセットで覚えましょう。
エ ○ 正しい
・大規模な崖崩れ又は土砂の流出を生じさせるおそれが大きいものとして政令で定める規模のものは、着手前に知事の許可が必要です。
・つまりこの区域は小規模なら届出・大規模なら許可の二段構え。すべて許可の宅地造成等工事規制区域との一番の違いです。
・許可の基準(技術的基準への適合、工事主の資力・信用、工事施行者の能力、権利者全員の同意)は、宅地造成等工事規制区域と同じ内容です。
オ × 誤り
・許可を受けた者は、その工事について届出をする必要はありません。条文に明文の定めがあります。
・許可のほうが審査の厳しい手続なので、重ねて届出をさせる意味がないからです。
・「許可と届出の両方が必要」とする出題は誤り。手続は一本だけ、と押さえておきましょう。
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