出題の重要度 ★★☆
「地区計画」をわかりやすく解説
地区計画とは?
・地区計画とは、それぞれの区域の特性にふさわしい良好な環境の街区を整備・開発・保全するために定める、街区単位の計画のこと。
・用途地域のような広い範囲のルールではカバーしきれない、もっと狭い「まちの一区画」を対象にしたきめ細かいルールです。

地区計画を定めることができる区域
・都市計画法第十二条の五第一項により、地区計画は以下の区域について定めます。
| 区分 | 区域 |
| 用途地域が定められている土地の区域 | ・制限なく定めることができます |
| 用途地域が定められていない土地の区域 | ・住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域 ・建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の土地の区域で、不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの ・健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域 |
【補足】用途地域が定められていない区域でも、上記のいずれかに該当すれば地区計画を定めることができます。「用途地域内でなければ定められない」わけではありません。

地区計画について都市計画に定める事項
| 区分 | 内容 |
| 定めるものとする(必ず定める) | ・地区施設及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(地区整備計画) |
| 定めるよう努めるものとする(努力義務) | ・当該地区計画の目標 ・当該区域の整備、開発及び保全に関する方針 |
地区計画の区域内における届出
・地区計画の区域のうち地区整備計画が定められている区域内において、土地の区画形質の変更や建築物の建築等を行おうとする者は、行為に着手する日の30日前までに、市町村長に届け出なければなりません。
| 項目 | 内容 |
| 届出先 | 市町村長 |
| 時期 | 行為に着手する日の30日前まで |
| 性質 | 届出であり、許可ではありません |
【補足】地区計画の区域内で必要なのは「市町村長への届出」です。「都道府県知事の許可」ではない点に注意しましょう。市町村長は、届出に係る行為が地区計画に適合しないときは、設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができます。
再開発等促進区・開発整備促進区
・一定の条件に該当する区域については、地区計画に再開発等促進区又は開発整備促進区を定めることができます。
| 区分 | 目的 | 定められる区域の要件 |
| 再開発等促進区 | 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図る | 用途地域が定められている土地の区域であること等 |
| 開発整備促進区 | 劇場、店舗、飲食店等の大規模な建築物(特定大規模建築物)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図る | 第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域、又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く) |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 地区計画は、用途地域の中にしか定められない。 |
| イ | 地区計画には、地区整備計画を必ず定める。 |
| ウ | 地区計画の区域内で建築するには、知事の許可が必要である。 |
| エ | 地区計画の区域内の届出は、行為の30日前までに行う。 |
| オ | 地区計画の目標を定めることは、努力義務である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | ○ | × | ○ | ○ |
ア × 誤り
・地区計画は用途地域が定められていない土地の区域にも定めることができるので、「用途地域の中にしか定められない」は誤りです。
・用途地域外で定められるのは、住宅市街地の開発等の事業が行われる(行われた)区域、建築や敷地の造成が無秩序に行われて不良な街区の環境が形成されるおそれがある区域、優れた街区の環境が形成されている区域の3類型です。
・用途地域内なら制限なく定められ、用途地域外はこの3類型に限られる、という対比で押さえましょう。
イ ○ 正しい
・地区計画については、地区施設及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画=地区整備計画を「定めるものとする」とされており、原則として必ず定めます。
・これに対し、地区計画の目標と、区域の整備・開発・保全に関する方針は「定めるよう努める」=努力義務です。
・「必ず定めるのは地区整備計画、努力義務は目標と方針」。どちらがどちらかを入れ替えた出題が定番なので、順番で覚えず中身で覚えましょう。
ウ × 誤り
・地区計画の区域内で必要なのは知事の許可ではなく、市町村長への届出です。許可制ではありません。
・対象になるのは、地区整備計画が定められている区域等で土地の区画形質の変更や建築物の建築などをしようとする場合です。
・市町村長は、届け出られた行為が地区計画に適合しないときは勧告をすることができます。勧告どまりで、命令や許可の取消しではない点もあわせて覚えましょう。
エ ○ 正しい
・届出は、行為に着手する日の30日前までに市町村長へ行います。
・「着手した日から30日以内」のような事後の届出ではありません。あらかじめ届け出させて、市町村が内容を確認する時間を確保するための制度だからです。
・国又は地方公共団体が行う行為、非常災害のため必要な応急措置として行う行為、通常の管理行為や軽易な行為などは届出が不要です。
オ ○ 正しい
・地区計画の目標と、区域の整備・開発及び保全に関する方針は「定めるよう努めるものとする」=努力義務です。
・必ず定めるものとされているのは地区整備計画のほうです。ここが入れ替わっていないかを毎回確認しましょう。
・なお、地区計画等の種類・名称・位置・区域は必ず定め、区域の面積その他政令で定める事項は努力義務です。「必ず=どこに何を置くか、努力=細目」と整理できます。
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