出題の重要度 ★★☆
「報酬以外に受け取れる費用」をわかりやすく解説

報酬以外に受け取れる費用とは?
・宅建業者が受け取れる報酬の額は、国土交通大臣の告示で定められています(宅建業法46条1項)。
・この額を超えて報酬を受けることはできず、名目を変えて金銭を受け取ることも認められません。ただし、いくつかの費用だけは例外として受け取れます。
依頼者の依頼によって行った広告の料金
・例外の代表が、依頼者の依頼によって行った広告の料金です。
・依頼者から「この媒体にも出してほしい」と特に頼まれて支出した広告費は、報酬とは別に請求できます。
・受け取れるのは実際にかかった実費で、上乗せして請求することはできません。また、契約が成立しなかった場合でも、依頼に基づいて支出したものであれば請求できます。
【補足】業者が自分の判断で出した通常の広告の費用は受け取れません。報酬に含まれているからです。

受け取れないもの
・次のようなものは、報酬とは別に請求できません。
| 費用 | 受け取れるか |
| 依頼者の依頼によらない通常の広告の費用 | 受け取れない |
| 通常の現地案内にかかる交通費 | 受け取れない |
| 通常の物件調査にかかる費用 | 受け取れない |
| 「案内料」「申込料」などの名目の金銭 | 受け取れない |
依頼者の特別の依頼による費用
・依頼者の特別の依頼により支出した費用で、あらかじめ依頼者の承諾があるものも、実費を受け取れます。
・遠隔地への現地調査の交通費や、遠方への出張の費用などがこれにあたります。
・「通常の業務では生じない出費」であることがポイントです。同じ交通費でも、近所の物件を案内するための交通費は報酬に含まれるので請求できません。
【補足】「特別の依頼」と「事前の承諾」の両方が必要です。あとから請求することはできません。
違反したときは
・告示の額を超えて報酬を受け取った業者は、100万円以下の罰金に処せられます(82条2号)。
・あわせて指示処分・業務停止処分の対象にもなります。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 依頼者に頼まれて出した広告の料金は、報酬とは別に受け取れる。 |
| イ | 業者が自分の判断で出した広告の費用も請求できる。 |
| ウ | 現地案内にかかった交通費は、報酬とは別に受け取れる。 |
| エ | 「申込料」という名目なら、上限を超えて受け取れる。 |
| オ | 報酬の上限を超えて受け取ると、罰金に処せられる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | × | ○ |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。依頼者の依頼によって行った広告の料金は例外として受け取れます。
・依頼者が自ら望んで追加した費用なので、報酬の枠とは別に扱ってよいと考えられているからです。
・「頼まれたかどうか」が分かれ目です。頼まれていない広告費は請求できません。
イ × 誤り
・・正しくは請求できません。通常の広告の費用は報酬に含まれています。
・これを認めると、報酬の上限を広告費の名目で超えられてしまうからです。
・「依頼者の依頼によって行った」広告だけが例外だと押さえましょう。
ウ × 誤り
・・正しくは受け取れません。通常の案内にかかる交通費は報酬に含まれています。
・物件を案内することは媒介の仕事そのものであり、特別な出費とはいえないためです。
・遠隔地への調査など、特別の依頼があり事前に承諾を得たものだけが例外になります。
エ × 誤り
・・正しくは名目を変えても受け取れません。
・名目を自由にできるとすると、報酬の上限を定めた意味がなくなってしまうからです。
・報酬にあたるかどうかは名前ではなく中身で判断されます。「案内料」「事務手数料」なども同じで、受け取れません。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。100万円以下の罰金に処せられます(宅建業法82条2号)。
・報酬の上限は依頼者を守るための基本のルールなので、刑罰まで用意されています。
・受け取らなくても、不当に高額の報酬を要求しただけで別の条文に違反します。
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