出題の重要度 ★★★
「報酬に関する制限(売買・交換)」をわかりやすく解説
報酬に関する制限とは?
・報酬に関する制限とは、宅地建物取引業者が売買・交換・貸借の媒介や代理に関して受けることのできる報酬の額の上限に関する規制のこと。
・宅地建物取引業法第四十六条第一項では、以下のように規定されています。
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
・具体的な金額は国土交通大臣の告示(昭和45年建設省告示第1552号)で定められています。

売買・交換の媒介の報酬
・課税事業者である宅建業者が依頼者の一方から受けられる報酬の上限は、代金額を次のように区分して計算した金額の合計です。
| 代金額の区分 | 割合 |
| 200万円以下の金額 | 5.5% |
| 200万円を超え400万円以下の金額 | 4.4% |
| 400万円を超える金額 | 3.3% |
【補足】この割合には消費税等相当額が含まれています。したがって、本体価格で考えるとそれぞれ5%・4%・3%です。
・実務では速算式が使われます。
| 代金額 | 速算式(本体価格) |
| 200万円以下 | 代金額 × 5% |
| 200万円超400万円以下 | 代金額 × 4% + 2万円 |
| 400万円超 | 代金額 × 3% + 6万円 |

計算するときの注意点
| 項目 | 内容 |
| 代金額は税抜き | 建物の価格に消費税が含まれているときは、消費税を除いた本体価格で計算します。土地は非課税なのでそのままです |
| 交換の場合 | 交換する宅地・建物の価額に差があるときは、高いほうの価額で計算します |
| 消費税の上乗せ | 課税事業者は1.1倍、免税事業者は1.04倍が上限です |
【補足】免税事業者の1.04倍は、不動産業(第6種事業)のみなし仕入率40%に消費税率10%を掛けた4%を上乗せできることによるものです。
代理の場合
・売買・交換の代理に関して受けられる報酬は、媒介の計算で求めた金額の2倍以内です。
| 場面 | 上限 |
| 代理の依頼者からのみ受ける | 媒介の額の2倍まで |
| 相手方からも受ける | 両者の合計額が媒介の額の2倍を超えてはならない |
低廉な空家等の特例
・代金が800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)の売買・交換の媒介では、通常の計算額を超えて33万円まで報酬を受け取れます。代理はその2倍以内です。
・くわしくは「低廉な空家等の売買の特例」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
報酬以外に受け取れるもの
・報酬のほかに受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金や、特別の依頼により支出した費用などに限られます。通常の広告費や交通費は受け取れません。
・くわしくは「報酬以外に受け取れる費用」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 代金400万円を超える売買の媒介では、代金の3%+6万円が基本となる。 |
| イ | 報酬の計算に使う代金額には、消費税を含める。 |
| ウ | 代理のときは、媒介の2倍まで受け取れる。 |
| エ | 代理で双方から受け取るときは、それぞれ2倍まで受け取れる。 |
| オ | 依頼者から頼まれた広告の料金は、報酬とは別に受け取れる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・400万円を超える部分は3%なので、200万円以下は5%、200万円超400万円以下は4%という区分計算をまとめると3%+6万円の速算式になります。
・これは本体価格での計算です。課税事業者が実際に受け取れる上限は、これに1.1を掛けた額になります。
・依頼者の一方から受け取れる額なので、売主・買主の双方から媒介を依頼されていれば、それぞれから上限まで受け取れます。
イ × 誤り
・報酬の計算は税抜きの本体価格で行います。建物の代金に消費税が含まれているときは、これを除いてから計算します。
・土地の売買は非課税なので、そもそも消費税が上乗せされていません。土地と建物が一体の価格で示されているときは、建物部分だけ税抜きに直します。
・税込価格のまま計算させて上限を超えた金額を選ばせる出題が定番です。まず税抜きに直す、を習慣にしましょう。
ウ ○ 正しい
・売買・交換の代理で受け取れる報酬は、媒介の計算で求めた額の2倍が上限です。
・代理は依頼者に代わって契約まで行うため、媒介より重い責任を負うことが理由です。
・貸借の代理には2倍という考え方がなく、借賃1か月分の1.1倍が上限です。売買と貸借で扱いが違う点に注意しましょう。
エ × 誤り
・相手方からも受け取る場合は、両者から受け取る合計額が媒介の額の2倍を超えてはいけません。それぞれから2倍ではありません。
・「代理だから2倍もらえる」のではなく、1つの取引全体で2倍が上限と理解しておくと間違えません。
・複数の業者が関与する場合も同じで、関与した業者が受け取る合計が2倍以内に収まっている必要があります。
オ ○ 正しい
・依頼者の依頼によって行った広告の料金は、報酬の上限とは別に受け取れます。
・逆に、依頼を受けずに業者の判断で出した通常の広告の費用や、現地案内の交通費・調査費は報酬に含まれ、別途請求できません。
・なお800万円以下の低廉な空家等の売買・交換の媒介では、あらかじめ依頼者に説明して合意すれば、通常の上限を超えて33万円まで受け取れる特例があります。
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