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「賃借権の譲渡・転貸(民法)」とは?わかりやすく解説

「賃借権の譲渡・転貸(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「賃借権の譲渡・転貸」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・借りた部屋を、また貸ししたり、借主の立場ごと他人に譲ったりする場面です。三者の関係を図で押さえます。

「賃借権の譲渡・転貸」とは?わかりやすく解説の要点

賃借権の譲渡・転貸とは?

賃借権の譲渡とは借主の地位そのものを他人に移すこと、転貸とは借りたものをさらに他人に貸すこと(また貸し)です。

・どちらも賃貸人の承諾がなければできません(民法612条1項)。

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

種類 内容 もとの借主
譲渡 借主の地位を他人に移す 契約から抜ける
転貸 借りたものをさらに他人に貸す 契約に残る

 
 

カエルさん
カエルさん
賃貸借は「だれに貸すか」を信頼して結ぶ契約です。だから借主を勝手に入れ替えられません。

無断で譲渡・転貸したら

・賃借人が承諾を得ずに第三者に使用・収益をさせたときは、賃貸人は契約を解除することができます(民法612条2項)。

・ただし判例は、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは解除できないとしています。

【補足】解除できるのは、第三者に実際に使用・収益をさせたときです。譲渡や転貸の契約をしただけで、まだ使わせていない段階では解除できません。

カエルさん
カエルさん
・「無断なら常に解除できる」は言いすぎです。原則は解除できる、例外があるという形で覚えましょう。

賃借権の譲渡・転貸の図解

適法な転貸の効果

・承諾を得た適法な転貸では、転借人は賃貸人に対して直接に義務を負います(民法613条1項)。

賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。

項目 内容
直接義務の範囲 もとの賃貸借の賃料と転貸借の賃料の低いほうが限度
賃料の前払 賃貸人に対抗できない
賃貸人の権利 賃借人に対する請求も妨げられない

 
 

【補足】転借人が賃借人に賃料を前払していても、賃貸人から請求されれば支払わなければなりません。前払を理由に断ることはできません。

賃貸借が終わったとき転借人はどうなるか

・もとの賃貸借が終わると転貸借の土台がなくなりますが、終わり方によって結論が変わります。

終わり方 転借人への影響
合意解除 賃貸人は転借人に対抗できない(転借人は使い続けられる)
債務不履行による解除 賃貸人は転借人に対抗できる(転借人は明け渡す)

 
 

カエルさん
カエルさん
・合意解除は、賃貸人と賃借人が相談して勝手に終わらせたものです。それで転借人を追い出せるなら、あまりに不意打ちだからです。

【補足】合意解除の当時、賃貸人がすでに債務不履行による解除権を持っていたときは、例外として転借人に対抗できます(民法613条3項ただし書)。

まちがえやすいところ

合意解除は対抗できない債務不履行解除は対抗できる。この対比が繰り返し問われます。

・また、債務不履行を理由に解除するとき、賃貸人は転借人に賃料を支払う機会を与える必要はありません(判例)。

カエルさん
カエルさん
・「転借人に催告してからでないと解除できない」という選択肢は誤りです。催告の相手は賃借人で足ります。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
賃借権を譲るには、貸主の承諾がいる。
無断で転貸しても、貸主は解除できないのが原則である。
転借人は、貸主に対して直接に義務を負う。
転借人は、賃料を前払したことを貸主に対抗できる。
貸主と借主が合意で解除しても、転借人には対抗できない。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× ×

 

ア ○ 正しい

・・そのとおりです。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡せません(民法612条1項)。
・賃貸借は、だれに貸すかという信頼のうえに成り立つ契約だからです。
・転貸(また貸し)も同じく承諾が必要です。譲渡と転貸をまとめて押さえましょう。

イ × 誤り

・・誤りです。正しくは、無断で第三者に使用・収益をさせたときは、賃貸人は契約を解除できます(民法612条2項)。
・信頼して貸した相手が勝手に入れ替わってしまうからです。
・ただし背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば解除できません。原則と例外の順で覚えます。

ウ ○ 正しい

・・そのとおりです。適法な転貸では、転借人は賃貸人に対して直接に債務を履行する義務を負います(民法613条1項)。
・賃貸人が転借人から直接取り立てられないと、賃料の回収が難しくなるからです。
・義務の範囲は、もとの賃料と転貸賃料の低いほうが限度になります。

エ × 誤り

・・誤りです。正しくは、賃料の前払をもって賃貸人に対抗できません(民法613条1項後段)。
・前払を認めると、賃借人と転借人が示し合わせて賃貸人の取立てを免れてしまうからです。
・転借人は、賃貸人から請求されれば重ねて支払わなければなりません。

オ ○ 正しい

・・そのとおりです。賃貸人は、賃借人との合意解除を転借人に対抗できません(民法613条3項)。
・当事者どうしで勝手に終わらせて転借人を追い出すのは、不意打ちになるからです。
・これに対し、債務不履行による解除は転借人に対抗できます。対で覚えましょう。

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