イラストを使ってわかりやすく、独学で宅建士を目指す人へ
「敷金(民法)」とは?わかりやすく解説

「敷金(民法)」とは?わかりやすく解説

出題の重要度 ★★★

「敷金」をわかりやすく解説

カエルさん
カエルさん
・部屋を借りるときに預ける「敷金」です。いつ返ってくるのか、未払賃料と相殺できるのかが問われます。

「敷金」とは?わかりやすく解説の要点

敷金とは?

敷金とは、賃料などの債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭のこと(民法622条の2)。

敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。)

カエルさん
カエルさん
・「いかなる名目によるかを問わず」とあるので、保証金権利金という名前でも、担保の目的で預けたお金なら敷金として扱われます。

いつ返してもらえるか

・敷金が返ってくるのは、次のどちらかにあたるときです。

場面 内容
賃貸借が終了し、賃貸物の返還を受けたとき 契約が終わり、部屋を明け渡したとき
賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき 賃貸人の承諾を得て借主の地位を他人に移したとき

 

・返ってくる金額は、預けた敷金から未払賃料などの債務を差し引いた残額です。

【補足】契約が終わっただけでは足りず、明渡しまで済んではじめて返還請求ができます。

敷金の図解

明渡しと返還は同時履行ではない

・借主が「敷金を返してくれるまで部屋を明け渡さない」と主張することはできません

・条文が「賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたとき」と定めているとおり、明渡しが先、返還があとという順序だからです。

カエルさん
カエルさん
・「同時履行の関係に立つ」という選択肢は誤りです。順番があると押さえましょう。

充当できるのは賃貸人だけ

・賃借人が賃料を払わないとき、賃貸人は敷金をその弁済に充てることができます

・反対に、賃借人の側から「敷金があるのだから、そこから差し引いてほしい」と請求することはできません(民法622条の2第2項)。

【補足】敷金は賃貸人のための担保です。担保をいつ使うかは、担保を持っている側が決められる、と考えると筋が通ります。

賃貸人や賃借人が代わったとき

・建物が売られて賃貸人が代わったときは、敷金に関する権利義務も新しい賃貸人に引き継がれます(民法605条の2第4項)。借主は新しい所有者に敷金の返還を求めることになります。

・これに対して、賃借権が譲渡されて賃借人が代わったときは、敷金は引き継がれません。前の借主にいったん返され、新しい借主は改めて敷金を差し入れます。

カエルさん
カエルさん
・「貸主が代わる=引き継ぐ」「借主が代わる=引き継がない」と対にして覚えると混同しません。

練習問題

・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。

記号 記述
敷金は、契約が終わればすぐに返してもらえる。
借主は、敷金が返るまで部屋を明け渡さないと主張できる。
貸主は、未払賃料に敷金を充てることができる。
借主は、未払賃料を敷金から差し引くよう請求できる。
建物が売られて貸主が代わると、敷金は新しい貸主に引き継がれる。

 

練習問題の解説

・解答は次のとおりです。

× × ×

 

ア × 誤り

・・返還請求ができるのは明渡しまで済んだあとです。民法622条の2第1項1号は「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」と定めています。
・契約の終了だけでは足りず、部屋を空けて明け渡すことまで必要だ、ということです。未払賃料などがあれば、そこから差し引いた残額が返ってきます。
・「契約終了と同時に返還請求できる」という選択肢は誤りだと判断できるようにしておきましょう。

イ × 誤り

・・同時履行の関係には立ちません。明渡しが先、返還があとという順序が条文で決まっています。
・「かつ、賃貸物の返還を受けたとき」という文言が、明渡しを返還の条件にしているためです。
・売買の代金支払と引渡しのような同時履行のイメージで考えると引っかかります。敷金は順番があると押さえましょう。

ウ ○ 正しい

・・賃貸人からは充当できます(民法622条の2第2項前段)。賃借人が債務を履行しないとき、敷金をその弁済に充てられます。
・敷金はもともと賃貸人のための担保なので、いつ使うかは賃貸人が決められる、という考え方です。
・逆向きの「借主から充当を請求できるか」は同じ条文の後段で否定されています。方向で結論が変わる点が狙われます。

エ × 誤り

・・賃借人からは請求できません(民法622条の2第2項後段)。「充てることを請求することができない」と明記されています。
・これを認めると、担保のはずの敷金が借主の都合で減ってしまい、担保の意味がなくなるためです。
・前の記述と対にして、「充当できるのは貸主だけ」と覚えておくと迷いません。

オ ○ 正しい

・・引き継がれます。賃貸人たる地位が移転すると、敷金に関する権利義務も新しい賃貸人に承継されます(民法605条の2第4項)。
・借主は誰が貸主かを選べない立場なので、敷金の返還先が分からなくなる不利益から借主を守る趣旨です。
・まぎらわしいのは借主が代わった場合で、こちらは引き継がれません。貸主が代わるか借主が代わるかで結論が逆になります。

この記事の内容に誤りや分かりにくい点を見つけられましたら、こちらのフォームからお知らせください。該当記事は自動で入力されます。

戻る
カテゴリー
ホーム
検索