出題の重要度 ★★★
「建蔽率の緩和」をわかりやすく解説

建蔽率の緩和とは?
・建蔽率の緩和とは、一定の要件にあてはまる建築物について、都市計画で定められた建蔽率に数値を加算する仕組みのこと(建築基準法53条3項)。
・燃えにくい建物を建てたり、道路に広く面した角地に建てたりすると、防火や避難の面で有利になるためです。
防火地域・準防火地域内の建築物
・防火性能の高い建築物には10分の1が加算されます。
| 地域 | 建築物 | 加算 |
| 防火地域内 | 耐火建築物等 | +10分の1 |
| 準防火地域内 | 耐火建築物等・準耐火建築物等 | +10分の1 |
【補足】準防火地域では準耐火建築物等でも緩和を受けられますが、防火地域では耐火建築物等でなければ緩和されません。

特定行政庁が指定する角地
・街区の角にある敷地やこれに準ずる敷地で、特定行政庁が指定するものの内にある建築物にも10分の1が加算されます(53条3項2号)。
両方にあてはまると+10分の2
・防火の要件と角地の要件の両方にあてはまる建築物は、10分の2が加算されます。
| あてはまる要件 | 加算される数値 |
| 防火(又は準防火)の要件だけ | +10分の1 |
| 角地の要件だけ | +10分の1 |
| 両方 | +10分の2 |
【補足】6/10の地域で両方にあてはまれば、建蔽率の上限は8/10になります。
【補足】緩和を受けるかどうかは建築物ごとに判断します。同じ敷地でも、耐火建築物等でない建物を建てるなら加算はありません。
建蔽率の制限がなくなる場合
・次の建築物には建蔽率の規定が適用されません(53条6項)。敷地いっぱいに建てられるということです。
| 建築物 |
| 建蔽率の限度が8/10とされている地域内 かつ 防火地域内にある耐火建築物等 |
| 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの |
| 公園、広場、道路、川などの内にある建築物で特定行政庁が許可したもの |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 防火地域内の耐火建築物なら、10分の1が加算される。 |
| イ | 角地であれば、必ず10分の1が加算される。 |
| ウ | 角地かつ防火地域内の耐火建築物なら、10分の2が加算される。 |
| エ | 準防火地域内の準耐火建築物には、緩和がない。 |
| オ | 商業地域の防火地域内にある耐火建築物は、建蔽率の制限を受けない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | ○ | × | ○ |
ア ○ 正しい
・そのとおりです。建築基準法53条3項1号により、防火地域内の耐火建築物等には10分の1が加算されます。
・燃えにくい建物を建てることで防火上の安全が保たれるため、その分だけ広く建てることを認める趣旨です。
・準防火地域では、準耐火建築物等でも同じく10分の1が加算されます。地域によって対象が違う点に注意しましょう。
イ × 誤り
・正しくは特定行政庁が指定した角地に限られる、です。角地というだけでは緩和されません。
・条文は「街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するもの」と定めています。
・「角地なら当然に」という言い回しが出たら誤りを疑いましょう。指定という一手間が必要です。
ウ ○ 正しい
・そのとおりです。防火の要件と角地の要件の両方にあてはまる建築物には10分の2が加算されます。
・片方だけなら10分の1、両方そろえば10分の2という組み立てになっています。
・6/10の地域なら8/10まで建てられる計算です。加算後の数値まで問われることがあります。
エ × 誤り
・正しくは10分の1が加算される、です。準防火地域では準耐火建築物等も緩和の対象になります。
・防火地域で緩和されるのは耐火建築物等だけですが、準防火地域は準耐火建築物等まで広がります。
・「防火地域=耐火のみ」「準防火地域=耐火+準耐火」と対にして覚えると迷いません。
オ ○ 正しい
・そのとおりです。商業地域の建蔽率は8/10で固定なので、建築基準法53条6項1号にあてはまります。
・「8/10の地域」「防火地域」「耐火建築物等」の3つがそろうと、建蔽率の規定自体が適用されません。
・この場合は「+10分の1」ではなく「制限なし」です。加算の話と混同しないようにしましょう。
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