出題の重要度 ★★★
「広告に関する規制」をわかりやすく解説
広告に関する3つの規制
・宅建業者が広告をするときは、以下の3つの規制を受けます。
| 規制 | 条文 |
| ① 誇大広告等の禁止 | 法第32条 |
| ② 広告の開始時期の制限 | 法第33条 |
| ③ 取引態様の明示 | 法第34条 |
① 誇大広告等の禁止
・宅建業者は、広告で著しく事実に相違する表示や、実際よりも著しく優良・有利であると誤認させる表示をしてはなりません(法32条)。誤認した人がいなくても、契約が成立しなくても違反になります。


・くわしくは「誇大広告等の禁止」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
② 広告の開始時期の制限
・宅地建物取引業法第三十三条では、以下のように規定されています。
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
| 項目 | 内容 |
| 対象 | 工事の完了前の宅地・建物 |
| 必要なもの | 開発許可・建築確認その他法令に基づく許可等 |
| 対象となる取引 | 売買・交換・貸借のすべて |
【補足】許可等の申請中である旨を明示しても、広告をすることはできません。
契約締結時期の制限との違い
・工事の完了前は、許可等を受けた後でなければ売買・交換の契約をしてはなりません。貸借の契約は制限されません(法36条)。
・くわしくは「契約締結時期の制限」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
③ 取引態様の明示
・宅建業者は、広告をするときと注文を受けたときの2つの場面で、自ら当事者・代理・媒介の別を示さなければなりません(法34条)。
・くわしくは「取引態様の明示」とは?わかりやすく解説をご覧ください。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 誰も誤解しなければ、誇大広告にはあたらない。 |
| イ | 開発許可を受ける前でも、貸借の広告ならしてよい。 |
| ウ | 開発許可を受ける前でも、貸借の契約なら締結してよい。 |
| エ | 広告で取引態様を示していれば、注文時には示さなくてよい。 |
| オ | 申請中である旨を書けば、許可の前でも広告できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| × | × | ○ | × | × |
ア × 誤り
・誇大広告は、著しく事実と相違する表示などをした時点で違反です。実際に誰かが誤認したか、損害が出たかは関係ありません。
・広告を見た人から問い合わせがなかった場合や、契約に至らなかった場合でも違反になります。
・罰則は6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科もあり)で、あわせて監督処分の対象にもなります。
イ × 誤り
・広告の開始時期の制限は、売買・交換だけでなく貸借にも及びます。貸借だから広告してよい、ということはありません。
・工事の完了前は、開発許可や建築確認など必要とされる処分を受けた後でなければ広告できません。
・広告は貸借を含めて禁止、契約は貸借なら可能。この違いが最も狙われるところです。
ウ ○ 正しい
・契約締結の時期の制限がかかるのは売買・交換だけで、貸借は対象外です。
・貸借は所有権が移転せず、建物が完成しなければ引き渡せないだけなので、買主ほど強く保護する必要がないためです。
・広告の制限は貸借にも及ぶのに、契約の制限は及ばない。ひとつ前の記述と並べて確認しておきましょう。
エ × 誤り
・取引態様の明示は、広告をするときと注文を受けたときの2回必要です。どちらか一方では足りません。
・注文を受けたときは遅滞なく明示します。その広告を見た人からの注文であっても省略できません。
・自ら売主か、代理か、媒介かによって報酬を支払う必要があるかが変わるため、依頼者が判断できるようにする趣旨です。
オ × 誤り
・「開発許可申請中」と表示しても広告はできません。許可等の処分があった後でなければ広告してはならないからです。
・許可が下りない可能性がある以上、申請中と書けば足りるとすると規制の意味がなくなるためです。
・「予定価格である」「許可を条件とする」といった断り書きも同じで、広告を適法にする効果はありません。
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