出題の重要度 ★★☆
「地役権」をわかりやすく解説

地役権とは?
・地役権とは、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利です(民法280条)。
・便益を受ける自分の土地を要役地、便益を与える他人の土地を承役地といいます。
・たとえば、公道に接していない自分の土地(要役地)から、隣の土地(承役地)を通って公道に出る通行地役権が代表例です。
付従性と不可分性
・地役権は要役地の付従性を持ちます。要役地の所有権とともに移転し、要役地と切り離して地役権だけを譲渡することはできません(民法281条)。
・たとえば要役地を売ると、地役権も原則として買主に移ります。
・地役権には不可分性もあります。土地の共有者の一人は、自分の持分についてその土地のための地役権を消滅させることはできません(282条)。
【補足】土地が分割されたり一部が譲渡されたりしても、地役権は原則としてその各部のために存続します。

地役権の時効取得と消滅
・地役権は、継続的に行使され、かつ外形上認識することができるものに限り、時効によって取得できます(民法283条)。
・たとえば通行地役権を時効取得するには、判例上、要役地の所有者が自ら通路を開設していることが必要とされます。
・地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分だけが時効で消滅します(293条)。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 地役権は、自分の土地の便益のために他人の土地を利用する権利である。 |
| イ | 地役権は、要役地の所有権と切り離して単独で譲渡することができる。 |
| ウ | 要役地が共有のとき、共有者の一人は自分の持分について地役権を消滅させられる。 |
| エ | 地役権は、継続的に行使され、かつ外形上認識できるものに限り時効取得できる。 |
| オ | 通行地役権を時効取得するには、要役地の所有者が通路を開設することが必要である。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・・地役権は要役地の便益のため承役地を利用する権利です(280条)。
・便益を受ける側が要役地、与える側が承役地です。
・通行地役権が代表例です。
イ × 誤り
・・地役権には付従性があり、要役地と分離して譲渡できません(281条)。
・要役地の所有権とともに移転します。
・地役権だけを売ることはできません。
ウ × 誤り
・・地役権には不可分性があり、共有者の一人だけでは消滅させられません(282条)。
・一人の都合で地役権が失われないようにするためです。
・「不可分性」の典型論点です。
エ ○ 正しい
・・時効取得できるのは継続的+外形上認識できる地役権に限られます(283条)。
・両方そろわないと時効取得できません。
・通行地役権では通路の開設が必要とされます。
オ ○ 正しい
・・判例は要役地の所有者による通路の開設を必要としています。
・単に他人の土地を通っているだけでは足りません。
・「継続的」といえるための要件です。
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