出題の重要度 ★★☆
「保証協会の業務」をわかりやすく解説

保証協会の業務とは?
・宅地建物取引業保証協会の業務は、必ず行わなければならない業務(必須業務)と、行うことができる業務(任意業務)に分かれています(宅建業法64条の3)。
・保証協会は、社員である宅建業者に代わって取引の相手方を守る役割を担う団体です。そのため、相手方の保護に欠かせない仕事は法律で義務づけ、それ以外は協会の判断にゆだねる、という組み立てになっています。
必ず行う3つの業務
・必須業務は次の3つです。
| 業務 | 内容 |
| 苦情の解決 | 社員が取り扱った取引についての苦情を処理する |
| 研修 | 宅建士その他の従業者に対して行う |
| 弁済業務 | 社員と取引をした者の債権について弁済する |
宅地建物取引業保証協会は、次に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。

行うことができる業務
・任意業務は次のとおりです。行うかどうかは保証協会が決められます。
| 業務 | 内容 |
| 一般保証業務 | 社員が負う返還債務などを連帯して保証する |
| 手付金等保管事業 | 完成物件の手付金等を預かる |
| 研修費用の助成 | 全国組織が行う研修の費用を助ける |
【補足】「一般保証業務」と「手付金等保管事業」は名前が固いので必須業務と思いがちですが、どちらも任意業務です。
大臣の承認を受けて行う業務
・保証協会は、上の業務のほかにも、国土交通大臣の承認を受ければ、宅建業の健全な発達を図るために必要な業務を行うことができます(64条の3第3項)。
・また、業務の一部を、大臣の承認を受けて他の者に委託することもできます(同条4項)。
必須か任意かの見分け方
・迷ったときは、社員でない一般の人を守るために欠かせないかで考えると整理できます。
・苦情の解決と弁済業務は取引の相手方を直接守るもの、研修は事故を未然に防ぐものなので、いずれも欠かせません。
・一方、一般保証業務や手付金等保管事業は、社員が申し出たときにはじめて使われる仕組みです。協会が備えていなくても、取引の相手方が直ちに困るわけではありません。
【補足】なお、社員が受け取った苦情について、保証協会は社員に文書または口頭による説明を求めることができ、社員は正当な理由がなければこれを拒めません。
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 苦情の解決は、保証協会が必ず行う業務である。 |
| イ | 研修は、行うかどうかを保証協会が決めてよい。 |
| ウ | 手付金等保管事業は、必ず行わなければならない。 |
| エ | 一般保証業務は、行うことができる業務である。 |
| オ | 保証協会は、業務の一部を他の者に委託できる。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | ○ |
ア ○ 正しい
・・そのとおりです。苦情の解決は必須業務のひとつです(宅建業法64条の3第1項1号)。
・社員の取引について苦情を受け付け、解決する窓口がないと、加入者を保証する仕組みが成り立たないからです。
・必須業務は「苦情の解決・研修・弁済業務」の3つ。ここを丸ごと覚えてしまいましょう。
イ × 誤り
・・正しくは必ず行わなければなりません。研修は必須業務です(64条の3第1項2号)。
・宅建士その他の従業者の質を保つことが、取引の相手方を守ることにつながるためです。
・任意業務なのは「研修費用の助成」のほうです。研修そのものと助成を混同させるひっかけに注意しましょう。
ウ × 誤り
・・正しくは行うことができる業務(任意業務)です(64条の3第2項2号)。
・社員が希望したときに利用する仕組みなので、協会が必ず備えなければならないものではありません。
・名前が固いので必須業務と思いがちですが、一般保証業務とあわせて任意業務だと押さえましょう。
エ ○ 正しい
・・そのとおりです。一般保証業務は任意業務です(64条の3第2項1号)。
・社員と契約を結んだうえで、その社員の返還債務などを連帯して保証するという仕組みだからです。
・必須業務3つの中に入っていないものは任意業務、という順序で判断すると迷いません。
オ ○ 正しい
・・そのとおりです。国土交通大臣の承認を受けて、業務の一部を委託できます(64条の3第4項)。
・すべてを自前で行わなくてよいことにして、業務を円滑に進められるようにしたものです。
・「委託は一切できない」とする選択肢は誤りです。承認が条件である点だけ押さえましょう。
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