出題の重要度 ★★★
「弁済業務保証金の還付」をわかりやすく解説

弁済業務保証金の還付とは?
・弁済業務保証金の還付とは、保証協会の社員と取引をした者が、その取引で生じた債権について、協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受けること。
・還付を受けられるのは宅建業者以外の相手方に限られます。この点は営業保証金の還付と同じです(法64条の8第1項)。
還付を受けられる額
・限度額は、納めた分担金の額ではありません。
その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき第二十五条第二項の政令で定める営業保証金の額に相当する額の範囲内
| 状況 | 分担金 | 還付の限度額 |
| 本店のみの社員 | 60万円 | 1,000万円 |
| 本店+支店1つの社員 | 90万円 | 1,500万円 |
【補足】分担金が少額でも、取引の相手方の保護に欠けることがないよう、営業保証金と同じ水準まで還付が受けられるようになっています。

還付を受けるまでの流れ
・還付には保証協会の認証という手続が入ります(法64条の8第2項)。
| 順序 | 内容 | 期限 |
| ① | 相手方が保証協会の認証を受ける | - |
| ② | 供託所から還付を受ける | - |
| ③ | 保証協会が同額を供託する | 2週間以内 |
| ④ | 保証協会が社員に還付充当金の納付を通知 | - |
| ⑤ | 社員が還付充当金を納付する | 通知から2週間以内 |
還付充当金を納付しないとどうなるか
・通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を納付しないときは、社員の地位を失います(法64条の10第3項)。
・社員でなくなった業者は、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければ、事業を続けることができません。
【補足】「2週間以内に還付充当金」→「守れなければ地位喪失」→「1週間以内に営業保証金」という流れで押さえると、数字が混ざりません。
営業保証金の還付との違い
・両者を並べると違いがはっきりします。
| 項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金 |
| 誰が供託しているか | 業者本人 | 保証協会 |
| 手続 | 供託所に請求 | 保証協会の認証→供託所に請求 |
| 限度額 | 供託した額 | 営業保証金に相当する額 |
| 穴埋め | 業者が不足額を供託 | 協会が供託し、社員が還付充当金を納付 |
| 還付を受けられる者 | 業者以外 | 業者以外 |
練習問題
・次の記述について、正しいか誤っているかを考えてみましょう。
| 記号 | 記述 |
| ア | 弁済業務保証金の還付を受けるには、保証協会の認証がいる。 |
| イ | 還付の限度額は、その社員が納めた分担金の額である。 |
| ウ | 宅建業者である相手方も、還付を受けることができる。 |
| エ | 還付充当金は、通知を受けた日から2週間以内に納付する。 |
| オ | 還付充当金を納めなくても、社員の地位は失わない。 |
練習問題の解説
・解答は次のとおりです。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| ○ | × | × | ○ | × |
ア ○ 正しい
・正しい。還付を受けようとする者は、保証協会の認証を受けなければなりません(法64条の8第2項)。
・協会が債権の内容と額を確認したうえで、供託所から払い戻される仕組みです。
・営業保証金の還付には認証の手続がありません。認証は保証協会の目印です。
イ × 誤り
・誤り。正しくは、社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額の範囲内です。
・分担金が60万円でも、本店だけの業者なら1,000万円まで還付を受けられます。
・相手方の保護に差が出ないようにするための決まりです。
ウ × 誤り
・誤り。正しくは、宅建業者は還付を受けられません(法64条の8第1項)。
・プロ同士の取引では保護の必要が小さいためで、営業保証金の還付と同じ考え方です。
・社員になる前に取引した相手方であれば、業者以外である限り還付を受けられます。
エ ○ 正しい
・正しい。社員は通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を納付します(法64条の10第2項)。
・納めるのは保証協会に対してで、供託所ではありません。
・期限は「還付があった日」からではなく「通知を受けた日」からです。
オ × 誤り
・誤り。正しくは、期間内に納付しないと社員の地位を失います(法64条の10第3項)。
・地位を失うと、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければ営業を続けられません。
・「2週間以内に還付充当金」「1週間以内に営業保証金」の2つを対で覚えましょう。
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